3月15日に発売になりました『学校のデジタル化は何のため?:教育ICT利活用の目的9類型』の感想文をお寄せいただきましたので、ご紹介していきたいと思います。
「教育ICT利活用の目的9類型」と表紙に記載の通り、この本は学校でICT機器を使う利用シーンを9つの切り口(観点と言ってもいい)から、事例を挙げ、その効果や意味をわかりやすく紐解いてくれています。
実物投影機や電子黒板が導入されたばかりの頃、教師が教具として使う、という使い方が一般的でした。時代は変わりGIGAスクールの今、生徒1人一台情報端末や、クラウド利用前提となり、学習者が学ぶツールとしてのデバイス・アプリケーションの活用方法についても事例を交えて紹介いただいています。こうした目的・使い方をしていく上で「場所」を拡張しようと考えると、必然的に持ち帰り学習することになります。持ち帰りを目的化するのではなく、持ち帰りは手段なのだと暗に語っているように思えます。
また、学習指導要領改定・施行された今日に求められている学習の形として、一斉指導・協働学習・個別学習という学習シーンと、9類型の目的とを重ねた整理は、たくさんの啓示をいただき、今すぐ授業でも使ってみたいと想起させる内容となっています。いわゆる担任の先生だけでなく、指導や授業のあり方、学習者のあり方などを評価・指導する、指導主事の先生にも、授業を評価する際の観点や意味づけに、本書の内容を参考にして欲しいなと思います。
本書には、教育ICT関連の本によくある「情報活用能力」というワードがほとんど出てきません。あえて使用を避けてる気さえもします。しかしそれは情報活用能力について軽視しているのではなく、こうした活用の延長線上に情報活用能力があることは、私のような素人にも一目瞭然です。【阿部智 さん】
阿部さんが書いてくださったように、たしかに「情報活用能力」という言葉を使っていないですね。情報活用能力をどう育てるか、ということの前提として考えているから、というのと、情報活用能力を「教え、育む」ことは、先生の仕事であり、僕は先生をサポートする立場として仕事をしていきたい、ということなのかな、と思っています。だから、授業事例で先生方の行っている授業を紹介する構成にしました。
ご感想をいただきまして、ありがとうございました!
感想文は、発売1ヶ月後の4月15日まで、お待ちしておりますので、引き続き、ご感想をお待ちしております。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
(為田)