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横浜市立鴨居中学校 授業レポート No.3(2022年6月13日)

 2022年6月13日に、横浜市立鴨居中学校を訪問し、杉﨑琢 先生が担当する1年生の体育の授業を参観させていただきました。
 今回はマット運動の授業でしたが、体育館へ1年生は教科書と一人1台のChromebookをもって集合します。杉﨑先生は、他の教科でのChromebookの活用方法を聴いて、体育で実践しているそうです。生徒たちは、教室での授業だけでなく、体育や部活などさまざまな場面でChromebookを使えるようになってきているようです。

 マットをセットして、ウォームアップをした後で、生徒たちにChromebookを持って集合してもらいます。マット運動の時間はあと3回だそうで、課題として、翻転技、接転技、巧技系の技などのなかから、「5種類以上の技をつないで、最終的に撮影して提出してもらいます」と杉﨑先生は言います。
「自分でできるもののなかから5種類以上の技をつなごう。教科書を見ながら練習して、随時撮影をしてください。自分の演技を撮影したものも見てね。教科書にある技が基本。先生にもどんどんきいてください」と言い、グループに分かれての練習がスタートしました。

 杉﨑先生は、「必ず1回の授業の中で自分の演技を撮影して、教科書と見比べてみるといい。自分の課題が見つけられる。見るのが大事。自分がやった感覚と、実際にどうなのかを比べることが大事」と言います。
 「撮影した演技をストックして、教科書と比較して」と杉﨑先生は言っていました。全部で6グループが練習しているので、先生が近くにいないときには、撮影した自分の演技と教科書を比較したり、グループ内で見合ってアドバイスをしたりすることで、技の完成度を高めることができます。

 杉﨑先生が近くに来ると、生徒たちは撮影した自分の演技を一緒に見てもらいます。「こうやってビデオ見るとどう?」と先生が訊くと、「手が曲がってる」「脚がのびてない」とコメントが出てきます。
 こうして自分の演技を記録して客観的に見て、次の練習につなげることが大事だと思います。

 杉﨑先生は、「練習のために映像を残しておくこと。提出のための映像じゃないよ。今回と前回で、どう違うのか見比べられる。そのためにChromebookを持ってきてもらってる」と言っていました。生徒たちは、自分にあった技にチャレンジしていきます。

 生徒の一人が、映像を見て練習を続けているなかで、「これ、できるようになるとバカ楽しくね?」と言っていました。
 この「できるようになってきた!」という感覚が得られるのはとてもいいことだと思います。前回よりも今回、何ができるようになってきたか、何が良くなってきたか、を見るために、体育の授業でChromebookがどう役に立っているのかを見ることができた授業でした。

(為田)