2022年6月23日に、森村学園初等部を訪問し、齊藤翔太 先生が担当する6年菊組の社会の授業を参観させていただきました。
授業の最初で、「今日の弥生」と題して、歴史を予想する活動をしていました。齊藤先生が「レベル1 文字の記録がないのになぜ、弥生時代の『争い』が起こっていたことがわかるの?」というような問いを出して、ロイロノート・スクールのカードに子どもたちが答えを考えて書いていきます(問題のレベルは1から5まであり、だんだん難易度が上がっていくようです)。
単純な歴史の事項を記憶しているかどうかのチェックではないので、予想とは言え難しいのですが、子どもたちは楽しみながら予想を書いていました。齊藤先生も、「いいんだよ、違っても。予想なんだから」と言って、子どもたちが考えやすい雰囲気を作っていたと思います。
ロイロノート・スクールで子どもたちの書いたカードを提出してもらい、みんなで共有していきます。キーボードで入力している子も、手書きで文字を書いている子もいます。
みんなに予想して書いてもらった答えについて解説するときに使う素材は、齊藤先生がロイロノート・スクールで用意してあり、すぐに見せられるようになっていました。子どもたちの書いたカードの内容に合わせて、適切な写真や図などを見せていくことで、理解を深めたりするために役立てていました。
齊藤先生のロイロノート・スクールには、たくさんのカードが並んでいました。ここで用意されているカードは、最初に提示する問いのカードだけでなく、子どもたちの書いたカードに合わせて提示する写真やWebサイトなど、さまざまな素材となります。すべてのカードを順に見せていくというのではなく、実際に授業をしながら、どの素材を使うかを選ぶことができるように、幅広く素材を用意してあるようでした。
「みんなの弥生」の後は、グループに分かれての活動になりました。グループで、「SDGsの観点から見る縄文時代」について調べて、模造紙にまとめていく活動をしています。
「一人1台のiPadがあるのに、なぜあえて模造紙を使っているのですか?」と授業後に齊藤先生に質問をしてみると、「コロナ禍でどうしても協働作業ができていなかったんですけど、子どもたちに話したら、模造紙を使ってまとめたいと希望した子が多かったんです」とおっしゃっていました。
グループで全体構成を作り、分担して文章を書いていきます。教科書などを見ながら内容を直接書いていくだけでなく、iPadも並行して使っています。原稿の下書きをロイロノート・スクールでカードに書いて、文章を推敲するところまではやっておいて、清書を模造紙でしていたりしていました。
見出しをデザイン的にしたり、イラストを描いたりする表現は、模造紙に鉛筆やマーカーなどを使って書く方がやりやすいというのもあると思います。さまざまなデザイン表現を見ることができました。
クラスの全員が模造紙に書いているわけではなく、iPadでKeynoteを使ってまとめている子たちもいました。どちらでやってもOKとなっているそうです。
Keynoteでは、目次のSDGsのマークをタップするとリンクが開いて対象のページを表示することもできるようにしていました。こうした表現はデジタルならではのものです。同じ課題で、アナログ(模造紙)とデジタル(Keynote)の両方を一つのクラス内で見られることで、子どもたちの表現手段が広がっていくと思います。
最終的には、模造紙またはKeynoteを使ったプレゼンテーションを使って説明動画を撮影し、それを提出するというふうに授業は進んでいくそうです。
No.2に続きます。
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(為田)