2022年10月27日に杉並区立桃井第二小学校を訪問し、芦原拓也 先生が担当する5年1組のプログラミングの授業を参観させていただきました。今回の授業では、体育館で2人ずつペアになってアイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使いました。
最初にモニターを使って芦原先生が授業のめあてを3つ紹介しました。ただプログラムを組むだけではなく、その先にどんなことを考えてほしいのかを示していました。
- 協力してより良いプログラムを考える。
- プログラミングの良さについて考える。
- プログラミングが社会でどのように使われているか考える。
子どもたちは前の時間でRootでのプログラミングを体験していたそうで、スムーズにプログラムを組むことができていました。「『より良いプログラム』として、短くて正確なプログラムを作れるように」と補足して、授業で目指すゴールを子どもたちに示していました。
芦原先生は、2つの課題が印刷されたプリントを配布しました。課題は、Rootに付属している4マス×4マスのマット上で、×印のマスを通らずにスタートからゴールまでRootを動かすことです。また、それぞれの課題には、「なるべく少ないブロックでゴールしましょう」や「好きな色のライトを2つ交互につけながら、ゴールしましょう」という条件がついていました。
芦原先生は、「プリントの課題に取り組むときに、どのようにしてプログラミングを行ったか思考したことを明確にするように」と、子どもたちに伝えていました。
いきあたりばったりでプログラムを組んでいくのではなく、あらかじめどんなふうに動かそうと思っているのかを視覚化するために、「2人に1つずつ配ったホワイトボード」、「Rootを動かすマット」、「Rootをプログラムする『iRobot Coding』のシミュレーター」の3つのどれかを使えるように準備していました。
3つの方法のいずれを使っても、「どのように意図してプログラムを組んだのか」を後から振り返ることができるようになっていました。マットに線を引いておくことで、その線のとおりにRootが動いたかどうかが分かり、最初に考えた自分たちのプログラミングの実現具合も判断できます。iRobot Codingのシミュレーターを使えば、今どのブロックが動いているのかが分かります。
プリントの裏には、「おまけ」の問題として、少し難しい応用課題が印刷されていました。2つの課題を解決した子どもたちは、裏面の課題にチャレンジできるようになっていました。
プリントの課題で組んだプログラムは、それぞれ別のプロジェクトとして保存してもらいました。それぞれの課題について、プロジェクトを表示させながら、「どんなことに気を付けてプログラミングしたのか」などを前のモニターでプレゼンテーションしてもらいました。
課題の解決方法は、1つではなく複数あるため、芦原先生が「他のやり方でやった人たちはいますか?」と聞くと、何人も手を挙げていました。先生のこの一言で、「いろいろなやり方があっていいんだ」「自分のやり方も紹介してみよう」と子どもたちのモチベーションにつながっていました。
No.2に続きます。
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(為田)