教育ICTリサーチ ブログ

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戸田市立戸田第二小学校 授業レポート No.3(2024年3月4日)

 2024年3月4日に戸田市立戸田第二小学校を訪問し、3年生のプログラミングの授業を参観させていただきました。戸田市教育委員会保有しているアイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使った、「Rootとなかよくなろう」「Rootのまちがいを直そう」「Rootでもようをえがこう」という3回セットの授業でした。戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員も務めている込田祥 先生が、授業を設計し、授業で使うスライドなどを準備して学年全体での授業をサポートしていました。この日、3回セットの授業の1回目、2回目、3回目を順に参観させていただきました。

 3回目の授業として、野崎公美 先生が担当する3年5組の授業を参観させていただきました。この授業では、これまでの2回の授業でRootの基本的なプログラミングに慣れてきた子どもたちが、自分の好きな模様を考えてRootで描いてみる授業でした。

 Rootの真ん中にペンを挿し込んで、ペンツールのブロックを使うことで、Rootの動きをそのまま4マス×4マスのホワイトボードマットにマーカーで線をひくことができます。
 野崎先生は例として、「ス」の文字を書くには、どうやったらいいかをモニターを見ながらみんなで考えてみました。

 一人1枚配布したワークシートで、子どもたちに設計図を描いてもらいます。4マス×4マスのホワイトボードマットに描きたい模様をかいて、その横に必要なプログラムを書いてもらいます。
 ハートなどの形や、文字など、さまざまな設計図を子どもたちは描いていきます。子どもたちが「こういうのをやりたい!」と自分でアイデアを出し、そのアイデアの実現するために考える楽しさが、プログラミングの授業では大事だと思います。

 ワークシートには設計図を2つ描けるようになっていました。1つは自分の設計図、もう1つは2人ペアのパートナーの設計図を描くスペースです。他の人のアイデアを知って、一緒に考えるためのきっかけとしてこういう設計もおもしろいと思いました。
 設計図を描いたあとで、ペアで1人15分ずつRootのプログラムをして、どんどんホワイトボードマットに模様を描いていきました。思った通りの模様を描くのはなかなか大変ですが、野崎先生は「どんどん試してみようね」と言っていました。こういう先生からの言葉かけが、とても大切だと思います。

 最後に、何人かの子が描いた模様をみんなに野崎先生が見せました。こうしてみんなで見ることで、「すごい、これってどうやったの?」と質問があがります。
 プログラミングの授業は、「どうやってやったの?」を子どもたち同士で問い合うことで、どんどんやりたいこともできることもレベルアップしていくように思います。こうした雰囲気を作ることこそ、先生にしかできないことだと感じました。

 今回、戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員も務めている込田祥 先生が3年生全体の授業をサポートしていましたが、こういうサポートの形態をとって、担任の先生がやるからこその授業のおもしろさがあると思います。こうして戸田市全体のプログラミング教育のレベルが底上げされていけばいいと感じました。

(為田)