教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

授業で他の人の考えやプログラムをコピーすることの後に起きてほしいこと

 僕は授業をするときに、schoolTaktやロイロノート・スクールなどの授業支援ツールを使って考えていることを書いてもらって、それを共有するのが好きです。クラスでみんなが書いたことを共有して見合うことができれば、「どう書いたらいいのかわかんない…」と手が止まっている子が、クラスメイトの書いたものからヒントを得て、少しでも文章を書くことができたらいいと思うからです。だから、僕はそうした活動をなるべく授業の中で入れたいと思っています。こうした活動ができることが、学校でみんなで学ぶことの良さだと思ってもいます。
 この、わからないときは誰かの考えたことを参考にしていく、というのはプログラミングの授業をするときも同じだと思っています。他の人が作ったプログラムを見て、「あ、これいいな」と思ったらどんどん真似して、それを自分なりに改造してプログラムを作っていってほしいと思っています。「わからない!」となってしまう子には、「まずできたところまでで動かしてみようよ」「友達の作っているものを見てみようよ」、と言うようにしています。

 でも、そうして人の書いた文章や考えたこと、プログラムを共有する活動を授業の中でしていると、ときどき友達の書いた文章やプログラムを、意味がわからないままコピーしてしまって、そこで「できた!」と考えを止めてしまう子がいます。
 全然何をやったらいいかわからないよりはいいと思うものの、ただコピーするだけでなく、コピーした文章やコピーしたプログラムが何を意図しているのかを読み取る、というふうになってくれたらいいな、と思っています。人の考えをコピーすることから始まって、人の考えを参考にしながら自分の考えをまとめていくことに楽しさを感じてほしいな、と思っています。正解がない問いに取り組んでいこうと思うと、この行動ができないと前に進んでいけないと思うからです。
 最初はコピーからでいいので、そこから自分の考えを広げたり深めたりすることを楽しめるように、少しずつでも手助けをしたいな、と思っています。声掛けの仕方を変えたり、答えを共有するタイミングを変えてみたり、問いかけをいろいろ工夫してみたり、自分でやれることをやっていきたいと思っています。

(為田)