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藤沢市立藤沢小学校 授業レポート(2023年11月6日)

 2023年11月6日に藤沢市立藤沢小学校を訪問し、木村智史 先生が担当する6年3組の国語「大切にしたい言葉」の授業を参観させていただきました。この単元では、自分の大切にしたい言葉(座右の銘)を、見たこと、聞いたこと、経験したことなどを描写しながら紹介する文章を書いていきます。
 この日の授業のテーマは「考えた内容が伝わっているか伝え合おう」でした。これまでの時間で書いてきた自分の座右の銘についての文章をお互いに読み合って、グループで内容が伝わっているかを確認し合う授業でした。

 授業の最初は「トークタイム」です。3~4人でグループを作り、ノートに書いた自分の座右の銘についての文章の内容を一人2分程度で発表します。ノートに書いた文章を要約しながら発表している子もいましたし、ノートに書いた文章をそのまま全部読んでしまう子もいました。グループのメンバーは、発表を聴きながら内容についてメモをとっていきます。
 発表を聴きながらメモをとるのは大変ですし、木村先生は「文章で伝える」ことを学習の目標としていたので、簡単に「こういうところを伝えたくて書いたので、そこが伝わっているか読んでほしい」という紹介だけにして、じっくり文章を読む時間にしてもいいかもしれないと思いました。

 その後で、「カード送付タイム」となりました。一人1台のChromebookでロイロノート・スクールを開いて、提出箱にあるグループのメンバーが書いた文章を読んでいきます。紙に書かれている文章だと、一人の文章を読めるのは一人だけですが、デジタルで共有されていれば複数人が同時に読むことができます。また、次の人が待っているわけではないので、あわてずに自分のペースで読むこともできます。

 子どもたちはグループのメンバーが書いた文章を読んだら、アドバイスを書いていきます。文章をより良くするためのアドバイスの視点として、木村先生は「事実、感想・意見が書かれているか」「文章構成は、分かりやすかったか」「具体的に書き、内容が伝わっているか」などを紹介しました。
 ロイロノート・スクールでアドバイスをカードに書いていきます。「よりよくした方が良い」ところをピンクのカード、疑問・分かりにくいところを黄色のカード、真似したいところを水色のカードというふうに色分けしていきます。書いたアドバイスカードは、ロイロノート・スクールの生徒間通信で一人ひとりに送ります。

 カードを送った後は、「アドバイスタイム」です。グループ内でアドバイスを口頭で直接伝え合います。アドバイスカードに書いたコメントだけでなく、口頭でもアドバイスを伝えることができるので、書き言葉では伝えきれない部分を話し言葉で補うことができた子もいたかもしれません。こうした機会をもつことで、子どもたちも「書いて伝えたほうがいいこと」と「口頭で伝えたほうがいいこと」の違いを体験することができると思います。

 木村先生は子どもたちがグループ内でアドバイスをし合って、文章をより良くできるようにと信頼して委ねていました。
 ただ、すべてのグループで良いアドバイスが受けられるとは限らないので、あるグループで出てきた良いアドバイスを先生がクラス全体に共有してあげる機会があってもいいかと思いました。また、子どもたちだけでは出てこなさそうなアドバイスは、一度先生がグループ活動を止めて、全体に対して一斉指導の形で伝えてもいいように思いました。
 そうして先生がしたアドバイスが、子どもたちのなかに残っていって、だんだん子どもたちが自分たちだけでアドバイスをできるようになると思いました。

 最後に、グループのメンバーから生徒間通信で送ってもらったアドバイスカードをロイロノート・スクールの自分のノートに整理していきます。もらったアドバイスカードを読んで、どう自分の文章に反映させていくかは自分で決めていきます。
 アドバイスカードを参考にして文章を推敲していくとき、Chromebookを使うことで構成の変更や文章の追記なども簡単に行うことができます。字を書く大変さなどを脇に置いて、自分の座右の銘についての文章が伝わりやすくなるように、何度も何度も読み直し、書き直すことができるのが、一人1台のChromebookを使っての作文の何よりの良さだと思います。

 最後に今回の授業のふりかえりをノートに書いてもらい、この日の授業は終了しました。グループのメンバーからのアドバイスが励みになったり参考になったり、そうした協働的な学びの良さを子どもたちが感じられていたらいいなと思いました。

(為田)