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戸田市立新曽小学校 授業レポート No.2(2023年7月7日)

 2023年7月7日に戸田市立新曽小学校を訪問し、田尻令 先生が担当する6年1組の国語「私と本」の授業を参観させていただきました。単元のゴールは「ビブリオバトルをして本の魅力を伝え合おう」で、この授業が自分で選んだ本のプレゼンテーションを作る2回目でした。ホワイトボードには、見る人・聞く人の心に響く魅力的なプレゼンの準備をするために必要な技能・知識がまとめられていました。

 自分の推薦する本をより魅力的に伝えるためのワークシートが、ロイロノート・スクールで子どもたちに配布されていました。「本の推薦に必要な情報」として、「作者の紹介」「題名」「あらすじ」「推薦する理由」「作品の魅力(読んだ後に何が残るか)」ということを自分でワークシートに書いてまとめられるようになっています。完全に自由な形でどんな情報を書いていいとするよりも、「どんな情報が必要なのか」をある程度指針として先生から出しておくことは重要だと思います。

 この授業では、最終的に自分の推薦する本の魅力を伝えるための手段として、プレゼンテーションだけでなく、ポスター、紙芝居、スライド、動画のなかから自分で選べるようになっていました。そのため、Googleスライドを使っている子や、Canvaを使っている子など、みんながそれぞれに違うツールを使っていました。どの手段が効果的かを考えて、複数の選択肢から選べるようになっているのは重要だと思います。

 どの発表形式を選ぶかは、子どもたちが自分の「好き・嫌い」と「得意・不得意」を考えて決められるといいと思います。例えば、人前で話すのが苦手な子や緊張してしまう子にとっては、プレゼンテーションはハードルが高い発表形式だと思います。でも、言いたいことを全部網羅した動画を作っておいて、「この動画を見てください」というふうに伝えることもできるようになってきていると思います。
 こうしてクラスで取り組む発表の場で、発表形式・表現形式を自分で選ぶことができるのは、一人1台の情報端末があることと、複数の発表形式を制作できるスキルがあるからこそです。新しい発表形式を知ることも、新しい表現形式を身につけることも、子どもたちの選択肢を広げてくれることに繋がっていると感じました。

 No.3に続きます。
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(為田)