ロイロノート・スクールをはじめとする授業支援ツールを使った授業を多く見ているのですが、子どもたちの思考をサポートする形で活用するためにどんな使い方があるのか事例を知りたくて、立石俊夫 先生の著書『ロイロノート版 シンキングツールで授業を変える! わくわくパフォーマンス課題づくり』を読みました。
まずは、シンキングツールについての注意が最初に書かれていました。この部分、もっと広く伝えられるべきだと思います。シンキングツールをきれいな最終成果物のデザインにするのは、もったいないと思います。
シンキングツールは「自分の考えをつくり出す」ことを目的としていますので、「計算用紙」であったり、「新しい考え」をつくり出すための道具として位置づけられるものです。そのため、ツール自体を完成させることが目的ではありません。むしろ大切なのは、そのツールを使って可視化された自分の意見や友達の意見を共有し、交流し合うことで、「新しい考え」(主張)を生み出すことが重要になります。そういう意味でもシンキングツールを使用した「考える」という行為は、途中段階であり、連続的に変化しうるものでなければなりません。(p.12)
子どもたちがシンキングツールを使いたくなって、「使ってよかったな」と思うようになるためには、どんな課題が出されるかが重要です。そこで、この本で立石先生が紹介している「パフォーマンス課題」が参考になると思います。
パフォーマンス課題がどんなものかについてもメモをとっておきました。
パフォーマンス課題とは「リアルな文脈(あるいはシミュレーションの文脈)において、様々な知識やスキルを応用・総合しつつ何らかの実践を行うことを求める課題」のこととなります。そして「具体的には、レポートや新聞といった完成作品や、プレゼンテーションなどの実技・実演を評価する課題」を意味しています。
これからの授業では、このパフォーマンス課題を用いたパフォーマンス評価、つまり「従来の知識や技能を暗記、再生する力を評価する筆記テストや実技テストだけでなく、個々の知識や技能が互いに関連づけられて発揮されるパフォーマンス課題による評価」が重要となります。(p.14)
立石先生が挙げていた参考文献とサイトもリンクを貼っておきます。チェックしたいと思います。
立石先生が生徒たちとおこなった社会科の授業のなかでのパフォーマンス課題の例をたくさん読むことができます。掲載されているロイロノートのデータを無料でダウンロードもできるので、まずはたくさん立石先生が作ったパフォーマンス課題に触れてみようと思います。
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僕にとって「パフォーマンス課題」と言えば、京都教育大学附属桃山小学校で長野健吉 先生がされていた授業が印象的でした。授業レポートを3本書いているので、そのリンクも貼っておきます。
パフォーマンス課題をさまざまな学年、さまざまな教科で行っている授業をもっとたくさん参観して学びたいなと思います。また、僕自身も自分で教えている授業でパフォーマンス課題を作って、子どもたちと一緒にやってみようと思います。
(為田)