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神戸市立中央小学校 授業レポート No.1(2023年9月21日)

 2023年9月21日に神戸市立中央小学校を訪問し、北山直樹 先生が担当する2年3組の算数の授業を参観させていただきました。今回の授業は「ひっ算のしかたを考えよう」の単元で、3位数-2位数の筆算のしかたを図や式を用いて考え、表現することをめあてとしていました。

 北山先生はプロジェクターに指導者用デジタル教科書のページを映し、子どもたちにも手元の教科書で同じページを開けるよう指示していました。プロジェクターに映した「103-26」の筆算を全員で見て「これで合ってる?」と質問して、合っていると思う人と合っていないと思う人が、それぞれの立場で説明していました。
 「筆算をどうやっているのかを説明するためのヒントがほしいよね。“算数のことば”を使ってみよう」と北山先生は子どもたちにうながします。黒板の左側には、「たす数」「たされる数」「ひく数」「ひかれる数」「百のくらい」「十のくらい」「一のくらい」「くり上がる」「くり下がる」「りょうがえ」「へんしん」などがマグネットで貼ってあります。これらの“算数のことば”から、説明に使いたいことばを子どもたちが選んで、全員で共有していきます。

 ここで筆算のしかたを説明するのに使う教材をSKYMENU Cloudで配布します。配布された教材は、位取り表と筆算が書かれた発表ノートでした。「どちらの教材を使ってもいいので、さっき選んだ説明に使いたい“算数のことば”を使って説明してみよう」と北山先生は言います。

 発表ノートを使って筆算のしかたを説明しようとする子たちは、配布されている筆算にペンツールで書き込みをしながら、どうやって計算しているのかを考えていきます。デジタルを活用することで、間違えたときにも簡単に消して書き直し、何度も考えることができます。

 少し時間が経ったら、「説明ができる人は、立って他の友達と説明し合ってみましょう」と北山先生は言います。子どもたちはキーボードを取り外して机の上に置き、ディスプレイをお互いに見せながら説明をしていきます。
 一人で説明をしてみたことを、友達に説明してみることで、曖昧だったところがわかったり、人に説明が伝わる実感を得ることができていました。

 説明し合う時間をとった後で、北山先生は指導者用デジタル教科書の位取り表のコンテンツをプロジェクターで映しながら「103-26」の筆算で使うくり下がりを説明します。
 このデジタルコンテンツでは、百の位の100の数ブロック1個を十の位に持っていくと自動的に10の数ブロック10個に変わります。こうした直観的な操作をくり返しスピーディに見せることで位下げのイメージがもちやすくなっていました。
 このデジタル教科書のコンテンツのURLはコピーして子どもたちのWindows端末へ送るので、子どもたちは自分のWindows端末で何度でもくり下がりを試してみることができます。自分で何度も確かめられるのも、とても大切だと思いました。

 さらに、黒板を使ってクラス全員で位取りを使った説明、筆算の説明を並べて行います。一人ひとりが自分のWindows端末で説明を書いたり、くり下がりを試してみたりするだけで終わらずに、そこに北山先生が言葉としてきちんとまとめをすることに意味があると思いました。

 最後に練習問題としてプリントを配布して、計算問題にも取り組みます。どうやって筆算をするのか、自分で説明をしたり、友達の説明を聴いたり、先生の説明を聴いたりしてきた授業のまとめとして、筆算を解く練習をする時間をとります。
 また、プリントの中の1問は発表ノートでも配布してあるので、プリントの問題を解き終わった子は、筆算の説明を仕上げとして練習できるようになっていました。

 筆算のしかたを、発表ノートやデジタル教科書の位取り表のコンテンツなどを使いながら説明できるようにし、それとは別に練習問題に取り組むプリントに取り組む、デジタルとアナログを組み合わせた算数の授業になっていました。

 No.2に続きます。

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(為田)