2023年12月16日に、かが交流プラザさくら でSTEAM FES KAGAが開催されました。午後は、かが交流プラザさくら内のコワーキングスペース、ものづくりラボ、テクノロジースペースやコンピュータクラブハウスなどで、来場者が参加できるさまざまな体験コーナーが展開されていました。
それぞれの体験コーナーを運営していたのは、加賀市のSTEAM教育に学校内外で協力をしている企業や団体の方々でした。
VRコーナー(コンピュータクラブハウス加賀)
立体に見える別世界を体験できるVRコーナーでは、ヘッドマウントディスプレイをかけてVRゲームの体験をしていました。こうした先進テクノロジーを実際に体験してみる機会が地域にあることはいいことだと思います。
3歳からできる!木製ロボット、キュベットとプログラミングで遊ぼう!(タビト學舎)
木でできているロボット「キュベット」を体験できるコーナーもありました。赤や黄色など鮮やかな色のブロックを並べることで、キュベット(ロボット)の動きをプログラミングできるコーナーです。最初はスタッフがやり方を教えますが、少し教えたら後は自分たちでやってみたいことをやってみたいようにブロックを組んでいました。みんなでわいわいやる子も、一人でじっくりやる子も、同じ場所でできるのが、こうした場でプログラミングをする良さだと思います。
ダンボールパーカッション作り(株式会社steAm)
広いコワーキングスペースで、子どもたちがダンボールパーカッションづくりを行っていました。たくさんの材料を思う存分使ってものづくりができていて、子どもたちは楽しそうでした。子どもも大人も一緒になって作っていて、隣の人が作っている作品を見てアイデアを思いついて、また自分の工作へ戻っていく、そうした場ができていました。
デジタルを使っていなくても、こうした形でのSTEAM教育はあり得るし、これであれば小学校の図工の授業や中学校の技術や美術の授業と組み合わせることもできそうだと思いました。
eスポーツの世界に飛び込もう!(時空堂)
eスポーツを体験できるコーナーもありました。大きい画面がたくさんあって、ハイスペックなコンピュータを使ってeスポーツを体験できるので、子どもたちがたくさん集まっていました。ゲーム画面の動きが速いことに驚きました。あのスピード感に反応してゲームをするのは、本当に「スポーツ」に近い、と思いながら見ていました。eスポーツ用のハイスペックなコンピュータがある家庭はそんなに多くないと思うので、こうした場で体験できるのは意味があると思います。
ゲームをやっているうちに、「ゲームを作りたい」「グラフィックを描きたい」「アニメーションを作りたい」などのように作る側に向かう子も出てくるので、同じコーナーで、プログラミングの基本を学べるコンテンツも紹介していました。
トイドローン体験(加賀ドローンステーション)
トイドローンの操縦体験ができるコーナーもありました。いろいろな種類のドローンが並べてあります。
ドローンを使った授業だと、どうやってドローンを動かすかをプログラミングすることが多いのですが、今回の体験コーナーでは、ドローンについているカメラで見える「FPV(First Person View=一人称視点)」を体験できるようになっていました。手元のコントローラーに、ドローンのカメラから見える景色が映ります。
テレビなどでもドローンを使って撮影された映像を見ることが多くなってきていますが、自分で操縦する体験をすると、映像を撮影する難しさや楽しさもわかるように思います。専門家がついてくれている状況で、少人数でドローンを操縦することができるのは良い体験になると思います。
まとめ
STEAM FES KAGAの体験コーナーを見ていて感じたのは、子どもたちが好きなことを好きなだけやっていい場があることの大切さです。子どもたちが好きなことを探究するために、コンピュータやドローンなどの機材を自由に使えて、本物に子どもたちが触れられる機会があることが大事だということです。
今回のSTEAM FES KAGAの体験コーナーに近い学習環境を、加賀市内の小中学校すべてがもつことは難しいと思いますが、体験コーナーに協力している市内の企業や団体がパートナーとして学校をサポートすることはできると思います。
また、学校外に好きなことを探究できる場があれば、子どもたちは学校を卒業した後もそこに出入りして、自分なりのSTEAMを継続して学び続けることができると思います。そうした形が見える体験コーナーだったし、地域でサポートするからこそできる取り組みだなと感じました。
(為田)