教育ICTリサーチ ブログ

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STEAM FES KAGA イベントレポート No.2(2023年12月16日)

 2023年12月16日に、かが交流プラザさくら でSTEAM FES KAGAが開催されました。午前中に、市内中学校6校と小学校のSTEAM先行実施校8校の児童生徒が、自分たちが取り組んだ課題解決や活動を通して学んだことについて発表するKAGA STEAM Presentationが行われました。
 各校のプレゼンテーションのなかから、特にSTEAM教育、授業でのICT活用の観点で興味深かったプレゼンテーションを紹介していきたいと思います。

加賀市立勅使小学校

 勅使小学校の6年生は「より楽しく安全なハンターで全校みんなを笑顔にしよう」というテーマでプレゼンテーションをしました。「ハンター」は勅使小学校で行っている全校で楽しむイベントです。子どもたちはテレビ番組「逃走中」のハンターと同じようにサングラスをかけてプレゼンテーションを行いました。
 勅使小学校では、去年も「ハンター」を開催しましたが、楽しくなりすぎて危険な場面もあったそうで、「より楽しく安全な」イベントをSTEAMで実現する活動を発表してくれました。

 micro:bitで制作した、設定した範囲に人が来ると音が鳴る機械「スーパーピポパポ」を紹介したほかにも、信号を送信して捕まった人が復活できるように装置を作ったり、階段の通行方向をわかりやすくするためにLEDで光らせたり、ということをプログラミングで実現していました。
 プログラミング以外にもテクノロジーは使われていて、「ハンター」を始める前のルール説明をGoogleスライドで行ったそうです。また、ハンターに捕まってしまった子どもたちが、牢屋になっている体育館からGoogle Meetで校内の様子を見られるようにもしていたそうです。
 こうした一工夫でテレビ番組「逃走中」と同じことができて、子どもたちはゲームをより楽しむことができると思います。

 事前に先生たちとリハーサルをしてアドバイスをもらい、自分たちの行動も確認して改善点を見つけたそうです。こうして、「実際にやってみる」というところを先生方も一緒に徹底的にしているのがいいと思いました。
 株式会社steAm 代表取締役の中島さち子さんも、「自分たちで作って改造・改善をするのがいい。試行錯誤もすごくしたと思う。やってみてわかる大変さ」と講評でおっしゃっていました。

 子どもたちは感想として、「はじめはブザーがならなかったから大変だったけど、プログラミングのことが学べてよかった」「細かい機械を組み合わせるのが難しかったです」「全校が楽しんでくれてよかったです」と言っていましたが、結果的に「ハンター」の安全性を高めることができ、楽しさを高めることができたようです。最高学年である6年生として、全校生徒が楽しめるように行動しているのが素晴らしいと思いました。

加賀市立錦城東小学校

 錦城東小学校の4年生は「みんなにやさしい町づくり」というテーマでプレゼンテーションをしました。学校の授業で福祉の勉強をするなかで、「聴覚障害の人がお風呂が湧いたのがわからない」ことを課題だと感じ、micro:bitを使って「お風呂呼び出しリング」を作ったそうです。
 お風呂に置いたmicro:bitの水センサーに水が触れると、ユーザーが手首につけたmicro:bitに信号が送信されて「オフロガタマリマシタ」という文字が画面に表示されます。文字だけでなく、震えて知らせてくれるようにもなっているそうです。

 仕組みを説明してくれた後で、「実演します」と言って実際に目の前で「お風呂呼び出しリング」が動いている様子を見せてくれました。

 会場の廊下にも置いてあったので、プレゼンテーションが終わった後でじっくり見ることもできました。実演と、実際の機器と両方を見ることができるのはとてもいいと思いました。

 中島さち子さんが講評で、「手につけてるのがかっこいい。製品化をするとなると、電源はどうしようとかいろいろ考えるポイントがありそう」と実装に向けてのコメントをされていたのが印象的でした。

 アイデアとして考えるところで終わるのと、実際に作って使ってみることの間には大きな隔たりがあって、その隔たりを超えるために学校でSTEAM教育を取り入れることに意味があると感じました。

加賀市立片山津中学校1

 片山津中学校のグループ1は「交通事故を減らすために」というテーマでプレゼンテーションを行いました。出発点は、身近に事故にあった人がいたことだったそうで、片山津で運転していて危ないところはどこだろう?ということを調べていました。実際に自分たちが暮らしている地域のことをテーマにしているので、自分たちで歩いたり、Googleマップで地図や航空写真で見たりして、交通事故を減らすために何ができるのかを考えてプレゼンテーションしました。
 Googleマップだけでなく、さまざまな地理情報システム(GIS)とテクノロジーを組み合わせて、自分たちが暮らしている地域の交通事情などを考えるのはおもしろそうだと感じました。

 自分たちで考えたアイデアを実現できるように地域へ働きかけるために、キャラクターを3DCADで作ったり、実際に「作る」というところにまで進んでいるのがいいと思いました。

加賀市立東和中学校1

 東和中学校のグループ1は、加賀市に本社がある大同工業株式会社の知名度を上げるための提案を行いました。総合的な学習の時間で大同工業の社員の方に学校に来てもらって、仕事について話を聴いたうえで、「チェーンといえば、大同工業」というブランディングができるように、ポスター作り、ロゴ作りなどを行っていました。

 また、大同工業のチェーンを使った製品として、チェーン靴を企画し、模型を3D CADで作成し、3Dプリンタで作っていました。ここでも、ただアイデアで終わるのではなく、3Dプリンタで模型を作るところまでできているのが良さだと思います。

 No.3に続きます。
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(為田)