2024年1月26日に鎌倉市立岩瀬中学校を訪問し、安宅修 先生が担当する1年4組の社会の授業を参観させていただきました。
安宅先生はGoogleクラスルームで授業プリントのPDFデータを配信していますが、紙のプリントも全員に配布しています。そのため、生徒たちは紙とPDFのどちらでも授業プリントを使うことができます。紙のプリントを使って勉強している生徒は、プリントをノートに貼ってまとめてありますし、PDFデータを使っている生徒はiPadのなかにデータがあります。どちらの方法にしても、これまでのプリントが同じ場所にあっていつでも参照できるようになっています。
iPadのGoodnotesでプリントを見ていたある生徒は、プリントの余白の部分に教科書や資料集などから関連するページを撮影して貼っていました。こうして自分の学び方に合うように情報を整理することはデジタルの方が楽にできると感じました。
安宅先生は最初に前の時間の内容をふりかえった後、この日の授業「4. なぜ昔のことがわかるのか」で使うプリントを配布します。
資料集を開いて安宅先生の説明を聴きながら、iPadではキーワードである「打製石器」や「火焔土器」をiPadで検索している生徒たちもいました。こうした生徒たちは、紙の資料集とインターネット検索はアナログとデジタルの敷居をまたいで繋がっているかのように学んでいるのだと感じました。
この後で、みんなで「火焔土器、土偶を使って祈りを捧げる理由は何か?」という問いについて考えます。安宅先生は共有スプレッドシートを用意してあり、ここにクラス全員でアクセスして、自分の名前の横に考えた理由を書き込んでいきました。
みんなが書き込んだ共有スプレッドシートをモニターに映しながら、安宅先生はコメントを入れていきます。「豊作を祈って」と書いていたのを紹介して、「豊作と書いてあるけど、それは“農業をしていた”ということになると思う?」というふうに問いを重ねていました。
挙手をして発表されて生徒の意見を先生が板書にまとめていく形式ではなく、スプレッドシートに生徒たちが書いた文章をそのままみんなで読みながら、安宅先生はそこから導けるさらなる問いに繋げて解説をしていました。
共有スプレッドシートで同時に意見を書き込んでいくので、どんなことを書いていいのかわからない生徒たちは、クラスメイトが書いた文章を見て参考にして書き始めることもできます。
また、共有スプレッドシートにデータが残っているので、次回以降の授業で見ることもできます。また、生徒同士でお互いに書いたことを読み合って、ディスカッションをすることもできます。
No.3に続きます。
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(為田)