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横浜市立鴨居中学校 授業レポート No.2(2022年6月13日)

 2022年6月13日に、横浜市立鴨居中学校を訪問し、的場彩 先生が担当する3年3組の英語の授業を参観させていただきました。

 最初にウォームアップとして、指導者用デジタル教科書を教室のモニターに投影していて、教科書本文の音声を再生していました。音声を聴いて教科書本文の内容について理解できているかを教科書に書き込んでもらい、解説をしていきました。

 教科書に書き込んだ答えを確認した後、一人1台のChromebookでQuizletを起動して、教科書の内容を確認するテストに取り組みました。
 プリントで配布しているテストではないので、満点が取れるまで何度でもテストに挑戦することができます。目的は、教科書に出てきている単語や表現を記憶することなので、的場先生も「何度でもやり直してOK」と言っていました。

 Quizletで全問正解すると、「お見事です、よく理解できていますね。」と画面が表示されます。全問正解できた生徒は手を挙げて的場先生に確認してもらい、紙のポイントシートに的場先生がハンコを押していくようになっていました。
 Quizletだけでなく、授業のなかのさまざまな場面でポイントが与えられるようになっていました。

 Quizletを使ったテストが終わると、配布したプリントを使いながら教科書の内容を読んでいきますが、ここではロイロノート・スクールが使われていました。
 先生のロイロノート・スクールを生徒たちのロイロノート・スクールと画面共有することで、生徒たちは目の前の画面を見ながら説明を聴き、プリントに書き込んでいくことができます。
 的場先生が用意したプリントのポイントになる部分は隠されていて、説明しながらだんだん見えるようになっていきます。こうして画面を共有しながら説明をすることで、的場先生はほとんど板書をしないで説明をしていくことができます。
 こうして見せたい教材をデジタルで準備しておくことで、授業の進行を効率化することができ、生み出せた時間をより詳細な説明や生徒とのやりとりに使えると思いました。

 その後で、指導者用デジタル教科書を使って、みんなで音読の練習をしました。英文の音声データなどを簡単に再生したり、一緒に音読するときのサポート機能を使えるので、生徒たちにとっての音読の練習の良い教材になっていると感じました。

 最後に的場先生から、ロイロノート・スクールを使って、いま教科書で学んでいるUnitのPart1からPart3のカードが生徒全員に送られました。Part1からPart3のそれぞれに、レベル1からレベル4が用意されていて、レベルによって「最初の1文字だけが書かれている」「並べ替えの候補が書かれている」「完全な空欄」というように難易度が異なっています。
 的場先生は、「どれを選んでもOKです。難しさが違います。自分にあったものを選んでやってください」と言っていました。すべてのPartに4つのレベルをプリントとして用意すると、印刷するのも配布するのも面倒です。使わないプリントもたくさん出てしまってもったいないですが、デジタルであれば問題ありません。生徒側でどれをやるのかを選ぶことができます。

 デジタルのツールとアナログのツールをバランスよく用いることで、1時間の授業のなかで、たくさんの活動を行うことができている英語の授業でした。

 No.3に続きます。
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(為田)