SDGsについての授業を参観させていただくと、ユニバーサルデザインについて調べている児童生徒をよく見かけます。そのなかでよく、「シャンプーとリンスのパッケージは、触ると違いがわかるようになっている」ということが発表されます。
現在は、こうしたデザインの取り組みはよく知られていることだと思うのですが、そこに至るまでの経緯を花王が「シャンプーのきざみに込められた思い」というふうにWebサイトで公開しています。
こうした誕生秘話を知れるのはとてもいいなと思っています。最初に挙げられているのは「シャンプーとリンスの容器が同じで紛らわしい。形を変えて欲しい!」「洗髪時、目をつぶっていても区別がつくといい。」「目が不自由なので容器に工夫をしてほしい。」という消費者の声。
1989年と書かれていますから、たった35年前です。ずっと昔からこうだったわけではない、改善されて今がある、という過程を知ることはとても大事だと思います。過程を知ることで、「いまのものを変えていくことができる」というマインドセットにも繋がっていくと思います。
いまは当たり前だけど、昔は違ったものはたくさんあるんだと思います。そのなかには、いまのやり方に変えるときには大論争があったものもあると思います。
ちょっと考えてみて自分で思いつくものとしては、「ガソリンスタンドのセルフ給油」とかですかね。調べてみたら、1998年でした。それまではセルフ式なかったなんて、もう想像がつかないですけど。
1998年4月、危険物の規制に関する政令が改正され、「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所」(セルフ式ガソリンスタンド)が登場し、以後セルフ方式が増えてきました。
「いまは当たり前だけど、昔は違ったもの」って、他にもありますかね。そういえば、東海道新幹線の指定席も昔は一席ずつ車掌さんがチェックをしに来て、指定席券を見せていましたけど、いつの間にか来なくなりましたね。調べてみたら、2016年春で終わっていました。
こういうネタをたくさんもっておくことで、社会の仕組みがどう変わってきたのかの過程を子どもたちに伝えられる機会が増えると思います。
過程を知ることで、「いまのものを変えていくことができる」というマインドセットに繋がっていくといいなと思います。
(為田)