2024年12月26日にNHKで放送された「フェイク・バスターズ 2024」をNHKプラスの見逃し配信で見ました。小説家の平野啓一郎さん、心理学者で愛知淑徳大学 教授の久保(川合) 南海子 先生、憲法学者で慶應義塾大学 教授の山本 龍彦先生の3人と、MCとして評論家の宇野 常寛さんが出演されていました。
テーマとして、2024年11月の兵庫県知事選挙の話、「レプリコンワクチン」についての話、アメリカ大統領選挙の話など、ネットやテレビで見たものが多く取り上げられていました。
フェイクを見破るのが難しくなっているのもそうだし、アルゴリズムでどんどんバズワードが作られたり(最近のXのタイムラインも本当にひどい…)、デジタルを通じて大量な正誤入り混じった情報に晒される子どもたちに、どういうスキルやマインドセットを学校で伝えていけるだろうか、と思いながら見ました。
すごく興味深かった出演者の皆さんのコメントをメモとして共有したいと思います。
- 専門的なことを正しいかどうか、素人が判断することは難しい。(山本先生)
- 人間は“わからない”という状況に耐えられない。そこで“わかる”と説明されると魅力的に映ってしまう。(宇野さん)
- 人間は他者と何かを分かち合うことそのものに喜びを見出す存在。でも反対に、それが異質なものを排除することの起源になることもある。(久保先生)
- 「中国人が…」とか「クルド人が…」というようなことは基本的にシェアしないで、疑ってかかることが必要。どの国にだって、いろんな人がいるでしょう、という常識が働くようにしないといけない。(平野さん)
- SNS、アルゴリズムに支配されている。SNS規制の議論が広がっている。オーストラリアで16歳未満の子どものSNSの利用を禁止する法律が成立。でも、SNSで体験できる子ども時代もあるだろうし、知る自由を制限することにもなる。(山本先生)
- 受信する側の問題だけではなくて、発信する側の問題でもある。「ネットでこんなにイキってる俺、かっこいいだろ」と思ってしまう、発信する側をどうするのかも問題。(宇野さん)
いまの小学校、中学校、高校でのデジタルの活用の仕方で、こういうフェイクに流されないスキルやマインドを子どもたちに身につけてもらえるだろうか、というのは、考えないといけないと思います。残念ながら僕ら素人には本当かどうかわからないフェイクニュースが、何だかわからないアルゴリズムでどんどん押し寄せてきたときにも、きちんと対応できるようになるには、知識もいるだろうし、スキルもいるだろうし、体験もいるだろうと思うのです。
そのために何ができるのかを考えないといけないな、と思いながら見ました。
NHKプラスで見逃し配信は1週間、NHKオンデマンドでも2週間見られるみたいなので、興味がある方はぜひ見てみてください。
(為田)