教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

「i和design 2015夏」取材報告(2)

プログラミングを通じて「考える機会」をつくる

 ここで講師が設楽健太郎先生(12年目)にかわり、今度は中学年・高学年向けの授業実践報告となりました。愛和小学校では今年度、3年生から6年生の総合的学習の時間に各15時間ずつプログラミングの時間を位置づけて、学習を行っているそうです。
 設楽先生からの最初の質問は、「プログラミングとは何か?」ということでした。プログラミングとは、そのまま訳せば「命令」。身のまわりの生活にもたくさんあります、と設楽先生は説明し始めます。
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 設楽先生は、「プログラミングでは1.順次、2.繰り返し、3.条件分岐、を組み合わせることが基本だ」と説明を続けていきます。
 どのようにこれらを組み合わせるか、という例で、スタートからゴールへ行くための命令をどのように出せばいいかを考えることを伝えます。スタートからゴールまで行くのに、どのように動き方を命令すればいいかを考えてみます。「4マスなら簡単ですね」と、モニターに4マスの図を表示して言います。
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 次に、ぐっとマス目の数が多くなった図を表示して、「では、これならどういうふうにスタートからゴールまで行けるように命令しますか?」と言います。さまざまな行き方があるので、それをどう組み合わせるかは自由。また、1回1回命令を書くのではなくて、繰り返し表現を使った方が楽になる、という説明にも便利な使い方だと感じました。
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 手書きでこうして説明資料を作成し、それを手元のiPadに取り込んでいるのも、「資料をコンピュータで作るのが大変…」という先生方にとっては、「これでもいいんだ…」という一つの良いモデルになると思いました。黒板に書くのも1回、模造紙に書くのも1回。どちらも手間はあまり変わりません。模造紙よりも拡大ができたり、保存が楽だったり、いい部分は多くあると思うので、軽くこれくらいのことからやってみてもいいのではないか、と思いました。
 こうした先生方の説明の仕方を知ることができるのも、教員セミナーだからこそかな、と思います。

Code.org(中学年向け)で「教え合う教室」をつくる

 プログラミングの基礎がわかったところで、愛和小学校の3年生・4年生の「総合的な学習の時間」でやっているプログラミングを体験します。愛和小学校の3年生と4年生は、論理的思考力を身につけるために、プログラミングを学んでいます。

 iPadでブラウザを開き、Code.org にアクセスします。Code.orgは、オバマ米国大統領も推奨している、無料でプログラミングレッスンを受けられるサイトです。
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 「Hour of Code」をクリックすると、コンテンツが表示され、その中に「アナと雪の女王」のプログラミングがあるので、それをやってみます。
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 設楽先生は、手元のiPadを操作して、実際の画面を見せながら、どのようにしたらパズルをクリアしたことになるのかを説明します。
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 左上にいるエルサを指示通りに動かすために、右側のワークスペースに、「まえにうごく」などのように命令が書かれているブロックをドラッグしていきます。すべてブロックを並べることができたら、エルサの下の「実行」ボタンを押して、エルサが指示通りに動いたら、パズルをクリアしたことになります。
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 1つパズルをクリアすることができたら、その都度、メッセージが出て、「続行」ボタンを押すと、次の問題が表示されます。だんだん指示が難しくなり、多くのブロックを使わなければならなくなってきます。
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 参加者の先生方も、親しみがある題材だということもあるでしょうが、集中して取り組んでいます。設楽先生も「キャラクターで子どもたちの興味をひきやすいです」と紹介していました。
 題材だけでなく、Code.orgは適度にゲーミフィケーションがされていて、学びやすいサイトだと感じました。プログラミングが初めてでも、簡単な課題が出て、その課題をどうやれば解決できるか、と簡単に取り組むことができるのがいいと思います。
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 参加者の先生方には、クリアできたらどんどん次のステージに進んでもらいます。実際に愛和小学校の教室でやると、1時間で全部の課題を終わる子もいるそうです。

 課題を個人でそれぞれに取り組むわけですが、わからなかったら訊く、とい文化がクラスの中にだんだんできてくるそうです。そうなるにつれて、クラス内で教え合いが出てくるようになるそうです。わからないところを訊くためには、伝え方も工夫しなければならないので、伝え方の練習にもなっている、ということでした。

 第3回に続きます。blog.ict-in-education.jp


(為田)