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川口市立辻小学校 授業レポート No.4(2024年9月20日)

 2024年9月20日に川口市立辻小学校を訪問し、久保田寛士 先生が担当する4年1組の算数「倍の見方」の授業を参観させていただきました。この日の授業では、子どもたちにおもちゃ屋さんになってもらって、2種類のモーターカーのどちらに高い値段をつけるかを考えるために、速さを比べてもらいます。
 久保田先生は授業の最初に、「10秒間でノーマルカー(Nカー)は3メートル、スペシャルカー(Sカー)は15メートル進みます。SカーはNカーより何倍多く進むでしょうか」と黒板に書いて、この2台を比べてみるという問いを設定します。

 久保田先生が「SカーはNカーより何倍多く進むでしょうか」と質問すると、子どもたちから「15÷3=5だから、5倍」と答えが返ってきました。ここで久保田先生は子どもたちに「5倍多く進む、ということを説明してほしい」と言います。
 説明のためにテープ図と数直線を使ってほしいことを伝えて、教室前方にあるモニターに指導者用デジタル教科書に収録されている「5倍の意味を読み取る」アニメーションを映して、どのように考えればいいのか道筋を示して、自分の説明のしかたを考えてほしいことを伝えます。

 子どもたちにはテープ図と数直線が書かれたプリントが配られました。久保田先生は「図を見せるだけで終わらないように」「3mを1とみると、という言葉を使ってください」と子どもたちに伝えていたので、テープ図と数直線に線や文字を書き足して、「5倍多く進む」ということをどう考えるのかを説明できる図を作っていきます。
 どういう図にしていいかわからない子には、ヒントカードも配布しました。ヒントカードでは、説明の最初の部分が書き込まれていて、その続きを書けばいいようになっていました。

 隣の人と、自分で書いた図と説明を見せ合って説明をします。お互いの図を見ることで、「こういう説明のしかたがいいのか」と改良のポイントを見つけることもできたようです。

 Windowsタブレットでムーブノートを開いて、プリントに書いた図を撮影して写真を送ります。

 ムーブノートで撮影してもらったプリントを画面共有しながら、「5倍多く進む」を説明した図をクラス全体で共有します。いろいろな説明のしかたを見ることで、倍の見方を説明する方法を知ることができます。

 ここでもう一度、指導者用デジタル教科書の「5倍の意味を読み取る」アニメーションを見てみると、「~と見たとき」や「~にあたる」などの言い方がされていることに気づくことができます。最初にプリントで自分で説明の図と言葉を書いたからこそ、教科書に掲載されている過不足のない説明のしかたとの比較ができるようになると思いました。

 最後に、久保田先生はムーブノートを使ってもう1つ新しい問題を送ります。さっきのモーターカーと同じように、「~を1とみたとき、~は~にあたる」という言葉を使った説明の練習をしました。

(為田)