2024年9月20日に川口市立辻小学校を訪問し、中嶋水聖 先生が担当する1年1組の算数「たしざん」の授業を参観させていただきました。授業の最初に、教室前方にあるモニターに指導者用デジタル教科書の画面を映して、前の時間に「10といくつ」という数の見方に着目して、たし算の答えを求めたことを確認します。
中嶋先生は画面共有機能を使って、子どもたちのWindowsタブレットにも指導者用デジタル教科書の画面を映していました。子どもたちは中嶋先生が「9+4=13」の計算のしかたを説明するのを聴きながら、「9はあと1で10になる」→「4を1と3に分ける」→「9に1をたして10にする」→「10と3をたして13になる」と一人ずつ自分の画面を指差しながら手順を確認していました。
画面共有機能で子どもたちのWindowsタブレットに同じ画面を映しているからこそ、こうして計算の手順を同時に確認することができます。
前の時間のふりかえりを終えると、中嶋先生は黒板に「8+3のけいさんのしかたをかんがえよう」と書いて、「昨日やった、9+4と違うところは?」と子どもたちに質問します。「9だったのが、8になってる!」と答える子どもたちに、「どうやったら8+3を計算できそうかな」と今日の課題を伝えます。
中嶋先生は、「8+3=」と書かれた式と算数ブロックが書かれたカードをオクリンクで子どもたちに送ります。カードはうすい紫のカードと濃い紫のカードの2種類が用意されていて、両方とも子どもたちに送られていました。
中嶋先生は「うすい紫は、ばっちりの人用です。濃い紫は、心配な人用で、ヒントが多めに書いてあるよ」と子どもたちに伝えます。ヒントのところには、計算のしかたを考える助けになるコンテンツへのリンクが貼られているので、子どもたちは自分に必要なヒントを自分のタイミングで見ることができます。
中嶋先生は、紙のプリントも配布しました。プリントには「__は あと□で10。→__を□と○にわける。→…」というふうに計算のしかたが書かれていて、空欄に数字を書き込みながら8+3の計算のしかたを確認できます。
また、8+3の計算のしかたがすぐにはわからない子には、中嶋先生が指導者用デジタル教科書に掲載されている算数ブロックを動かしながら順番に説明するアニメーションを見せながら補足の解説をしていました。
子どもたちは、オクリンクのカードやそこに書かれたヒント、プリントや指導者用デジタル教科書のアニメーションなど、複数の教材を自分に合わせて使いながら8+3の計算のしかたを学んで、最後にオクリンクのカードにまとめて提出します。
中嶋先生は、オクリンクで提出してもらったカードを画面共有して、何人かの子どもたちにどうやって8+3の計算をするのか説明してもらいます。
中嶋先生が「他の人が作ったカードで説明できる?」と言う場面もありました。他の人の作ったカードを使って説明する機会をつくることで、子どもたちがクラスメイトの考え方と自分の考え方を比較できるように意図されていました。
前の授業でやった9+4のたし算も、この日にやった8+3のたし算も、後ろの数を分けて足して10を作って計算したことを確認して、みんなでオクリンクで送られた練習問題に取り組みます。
計算ができた人は、「せつめいをどうがでいおう」というところにある「カメラ・マイク」ボタンを押して、どうやって計算するかを説明する動画を撮影します。
授業の最後の5分でオクリンクを使って、ふりかえりをします。ふりかえりのカードに◎、○、△に丸をつけてもらいます。その下には、この日の学習で「気づいたこと、新しく知ったこと」「できるようになったこと、難しかったこと」「ともだちの考えを聴いて思ったこと」をふりかえるように書かれていました。
「カメラ・マイク」ボタンを押して、自分のふりかえりを動画で録画してもらっていました。1年生だと文字入力に時間がかかり過ぎてしまい、結果的にふりかえりができないということがあります。こうして動画撮影をしてもらうのはいいアイデアだなと思いました。
No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)