12月4日に私塾界プレミアムセミナーに参加しました。教育ICTを考えるためには、ICTにとどまらず、広く教育について考える必要があると思っています。第1部は佐賀県武雄市教育監 代田昭久氏、花まる学習会 高濱正伸氏、英進館 代表取締役社長 筒井俊英 氏による鼎談。鼎談のテーマは、「教育の官民連携を考える」でした。会場で話を聴きながらキーフレーズをTwitterで発信をしていたので、Tweetを振り返りながらコメントを入れていきたいと思います。
代田教育監「武雄市は、教育を目的に移住をしてきてもらおうと考えている。そのために、花まる学習会、英進館と力を合わせている。」 こうした方向性もありだと思います。実際、引っ越しのタイミングで教育環境で引越し先を考える人は増えてきているように思います。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
単純に、直近で教育環境だけで引っ越しを決められるかというと、雇用が必要だったりいろいろとはあると思いますが、長期的に考えたときには、こうして教育環境でどの自治体に住むか、どのコミュニティに住むか、というのは重要な問題になってくると思います。公立学校の学区というのは、一人の努力で急に良くなったりはしないので、どの学区に住むかは、子育ての際にできる選択のひとつには必ずなると思いますので。(その制約を超えるために、ICTが使われる、という可能性もありますが)
高濱氏:メシを食えない子どもたちが増えているのではないか」と思っている。200万人とか300万人はいるのではないか?塾がなければ、どれだけ学力が低いのか、と。それほど公教育の地盤沈下が進んでいる。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
塾にお金を払ってこられない子どもたちも変えなくてはならない、というのはそのとおりだと思います。そここそが公教育の役割だったのだけど、日本の場合は、それを学習塾など民間教育機関が補完しているのだと思う。(研究員・為田) #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
社会を変えるためには、社会の構成員の大部分に働きかける必要があり、そのために公教育を変えなければならない、というのはその通りです。学習塾が、学校でついていけない子たちの補習も行ってることを考えると、「補完」というのはその通り。学校の先生方が多忙なので、それを学習塾が補完をする形は、日本独自でいい形だと思います。
英進館では、そうした形でいろいろと官との協力を進めているそうです。
英進館 筒井社長のお話。英進館、さまざまな官民連携の動きをされています。平戸市長からの要望により春・夏の合宿を実施(2013~)、長崎県教育庁より中3・小6対象の模試作成依頼(2015~)など。すごい。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
北九州市「ひまわり学習塾」も実施。学習塾の先生が、公教育の中でどんなふうに教えているのかの説明も。 http://t.co/zPpWaIYVKD #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
筒井社長:学校も、民間から学ぼう、という空気に急激になってきている。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
単純に塾の先生の方が授業が上手、という話ではありません。「だから学校の先生はダメ」って言っていはダメ。そもそも単純比較すべきものではないと思うので。代田教育監もその点について指摘されていました。
代田教育監: 「塾の先生はノリがいい」「塾の先生の方が教え方が上手」というような新聞記事に嫌な思いをする先生もいる。学校の先生も、塾で一発でおもしろい授業をして、と言われたら、できる。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
代田教育監:学校の先生は365日、さまざまなことに気を配りながら、授業をしている。官民連携をするときに、どの部分が足りないのか、ということを考えなくてはいけない。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
学校の先生向けの研修をさせて頂いていて、話を伺うと、こうした点には非常に共感します。
高濱代表:「子どもたちを伸ばしたい」という一点に集中してできるところは協力しよう、ということ。数年後、当然それぞれの地域の学習塾が、それぞれの地域の学校に入り込んでいくと思う。文科省のコメントがそれを後押ししている。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
筒井社長:学校に出かけて行って講義などするときに、依頼をした官の幹部の人は、学習塾の先生に理解はある。ただし、現場の先生の中には、ときに嫌な思いをされる先生もいる。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
筒井社長:いちばん手のかかる、塾にも通えない、子どもたちの相手をしているのは、学校の先生だ。そうしたことを、公教育の場に行く講師・スタッフは、そうしたことを思い返し、先生に一目置く、というふうに徹底している。 #私塾界プレミアムセミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2014年12月4日
こういうのとっても大切だと思います。公教育分野で仕事をするときに、公教育にリスペクトを持っていない人もよく見かけます。そうした人たちは何かを成し遂げるまでには至っていないように思います。リスペクトを忘れずに、公教育を助けていきたいと思います。
後半のパネルディスカッションもアップしました。
私塾界プレミアムセミナー パネルディスカッション「教育再生で実現させる日本の未来」(2014年12月4日) - 教育ICTリサーチ ブログ
(研究員・為田)