教育ICTリサーチ ブログ

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【EDIX報告】稲垣忠先生「インストラクショナルデザイン×ICTでつくる新たな学び」

 教育ITソリューションEXPO(EDIX)でのミニセミナーの記録を続けたいと思います。次は、稲垣忠先生(東北学院大学 教養学部 准教授)です。テーマは「インストラクショナルデザイン×ICTでつくる新たな学び」でした。

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 稲垣先生には、凸版印刷の新サービス「やるKey」の開発においてもお世話になっております。
 それと、そもそも「インストラクショナルデザイン」という言葉を独学で学んできた者としては、著書に本当にお世話になっており、初めて仙台でお目にかかった時は、完全に一ファン化していました…(笑)
 そのため、このミニセミナーも、本当に楽しみで、最前列で聴かせていただきました。
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 以下、メモです。

  • 反転授業は、Mastery Learning(B.Bloom, 1968)。現在のドリル学習は、かつてのCAIなどを思わせる。
  • タブレット学習などは、技術(テクノロジー)によって、懐かしいことをやっているともいえる。
  • 「新しくない」?だが、先行研究を活かせるように、ようやくなってきた、とも言える。

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 稲垣先生は、「新しい学び」をつくる5つのインストラクショナルデザイン(ID)を紹介してくださいました。
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  • 完全習得学習 Mastery Learning
    • Self-Paced Mastery Learning(学習者それぞれのペースで学ぶ学習)とTraditional Classroom Mastery Learning(伝統的な教室での学習)、どちらかしかできなかったのがこれまで。
    • 反転学習も、Traditional Classroomの方法のなかで、先生のやりたかったことを実現している手法。
    • ここを両方に対してアプローチしていくというのが、新しい形なのではないかと思う。
  • 自己調整学習 Self-Regulated Learning
    • Plan it→Practice it→Evaluate itのサイクル。
    • 自主学習+タブレットで、自分の学びのメタ認知をさせる。
    • evalogなども使える。
    • 宿題を撮影する。
    • 友人の自主学習を全部見られる、など。
  • プロジェクト学習 Project Based Learning
    • アクティブラーニングは今までもやられている。より深めるためにどうするか、ということ。
  • 状況論的学習 Situated Learning
    • ミミ号の航海(Voyage of Mimi)
    • PBSとバンク・ストリート教育大(1984)。航海に数学や科学の学習が埋め込まれている。
    • Eテレでやっている「さんすう刑事ゼロ」とかも同じ手法。
  • 協働的学習 Collaborative Learning
    • CSCL(コンピュータが支援する協働学習)。学習をどう支援するか、という知見はCSCLにあるが、まだ使われてはいない。
    • 問題はどんなツールを使うかではなく)「何をやったら学びが深まるか」

 5つのIDについて、それぞれに事例を紹介して説明をしていただき、とても楽しかったです。「テクノロジーで何ができるか」よりも、「それで何をするか」「どんな学びを実現したいのか」という議論をまずはしっかりさせなければ、実践には進めないと思います。
 現場の先生方の知見と、こうした理論を積み重ねて、実践へと進めていきたいと思っています。
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 ものすごくテンションが上がるミニセミナーでした。ご一緒できて本当に幸せです。現場の先生方を一人でも多く巻き込んで、たくさんの先生を助けるサービスを作っていきたいと思います。

(研究員・為田)