教育ITソリューションEXPO(EDIX)でのミニセミナーの記録を続けたいと思います。次は、RICOHさんのブースで行なわれていた、平井総一郎先生(茨城県古河市教育委員会 教育部 指導課 参事)です。テーマは「古河市のICT活用の取り組み~学習の効果・効率最大化へのチャレンジ~」でした。
2月にパネルディスカッションでご一緒させていただいたこともあり、その頃におっしゃっていた「One to One+セルラーモデル」がいよいよ実現され、「学習の効果・効率最大化へのチャレンジが進んできています。
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古河市は今年の9月から市内23の小学校にタブレットを導入することが決まっています。学校でのWiFiではなく、セルラーモデルのタブレットの導入です。このセミナーを伺ったのは5月21日ですが、前日には、ドコモがセルラーモデルでのサービス・プロバイダになることが共同発表されています。
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導入担当者の覚悟
平井先生が古河第五小学校で校長先生をされていたころから、着々と布石をうっていたように思います。また、その頃の結果も率直に開示されていたのが非常に興味深かったです。
以下、メモです。
こうして見通しを立てて、「すぐに結果が出ないじゃないか!」という反論に対して、きちんと答えていくことが大切ではないかと思います。なんか、覚悟を感じます。
優先順位をつけることの大切さ
平井先生は、「ふつうの先生が使えなければ仕方なくて、そのために、エバンジェリストをどんどん増やして広げていく」とおっしゃっています。多くのことを求めるのではなく、しっかり授業の中で使ってもらうことを目指す、という感じなのかな、と思います。目指していることは、一言で言えば「授業を変える」こと。生徒の学びを変えるために、いろいろなことを全部やるのではなく、優先順位をつけること。
たとえば、アプリは、まずは3つだけでいい、という話がありました。3つに名前が挙がったアプリは、ロイロノートスクール、MetaMoji Share for ClassRoom、SchoolTaktでした。
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いきなりいろいろと揃えるのではなく、「どのように授業を変えるのか」を明確に定めて、そのための布石をうっていくことの大切さ、そうしたものを考えさせられます。
何より、セルラーモデルのタブレットを配布することは、WiFi環境を整えなければならないという学校側のハードルを大きく下げてくれるのではないかと期待をしています。WiFiモデルとセルラーモデル。それぞれにメリット・デメリットが有るとは思いますし、評価はまだまだこれから、という部分もありますが、導入したい自治体や学校にとって、選択肢があることは大事だと思います。ぜひ、通信事業者の営業の方がいらっしゃったら、「古河市では、セルラーモデルでやってますけど、うちの自治体ではできないんですか?」と質問してみたらいいと思います。
古河市では、お手伝いしているプロジェクト「やるKey」の実証実験も行いますので、ご縁のある自治体です。いろいろ勉強させてもらって、「授業を変える」お手伝いが少しでもできればと思っています。
為田:やるKeyは古河市と福生市で実証研究をやる。タブレットを一人一台配り、持ち帰りも行ってデータも集める。このデータのサマリーを先生に提供し、先生が授業の事前にわかるようにし、先生の授業改善に貢献したい。 pic.twitter.com/hqjtGJOWau
— 野本 竜哉(iOSコンソーシアム文教担当 (@ioscedu) 2015年5月20日
(研究員・為田)