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筑波大学附属駒場高校 授業レポート No.1(2018年10月11日)

 2018年10月11日に、筑波大学附属駒場高校の澤田英輔先生が教える高校2年生の現代文の授業を見学させていただきました。澤田先生は、授業の中でライティング・ワークショップを実践されています(ライティング・ワークショップについては、澤田先生が訳された『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』を参照してください)。授業が行われたのは図書館で、生徒はスマートフォンやChromebookでG Suite for Educationを使って受講していました。

先生からの書籍の紹介

授業の最初に、澤田先生から3冊の書籍を紹介されました。先生が主観的に“読み手(読者)としてのコメント”をされているように感じました。ただ書名を紹介するだけでなく、内容についてもコメントをしていました。読者としての先生を見せることが、生徒たちの読み手としての姿勢を育てることにも繋がっていくのだろうと感じました。

ブックトーク

 授業の最初に、生徒から1人が選ばれて、ブックトークを5分ほどで行っていました。生徒が好きな本を選んで、クラスメイトに紹介をする時間でした。

Google Classroomで進捗を確認

 澤田先生の授業では、Google Classroomのアンケート機能を使って、作文の進捗を先生に報告するようになっていました。「今日の予定を選んでタップしてください」という質問に対して、自分の状況を選択するだけで、先生の方でクラス全体の状況を見ることができるようになっています。「どこまで進んでいます」という状況報告だけでなく、「助けがほしい(=先生とのカンファランスを希望する)」ということを表明することもできるようになっていました。
 今回見学した高校2年生では、自分のスマホを利用することができるので、スマホから入力している生徒もいます。また、自分のPC持ち込みの子もいます。自分の好きなデバイスで作業をすることができるのが、この授業の特徴だと思いました。

ミニ・レッスン「編集会議」

 その後、ミニ・レッスンを行いました。この日は、15分くらいをミニ・レッスンにあてていました。配布した2枚のプリントの中から、要点を説明していきます。
 まずは、「編集会議をしよう」と書かれたプリントを使います。プリントには、「ドアを閉めて書け、ドアを開けて書き直せ。」というジョン・グールドの言葉が書かれていました。プリントに書かれている編集会議の目的と進め方を確認します。

  • 編集会議の目的
    1. 作者:他の人に読んでもらうことを通じて、自分の作品をより良くする。
    2. 編集者:「良い編集者」(信頼できる読者)になる練習をする。
    3. 編集者:他者の作品について考えることを通じて、自分の作品に取り入れられることを見つける。
  • 編集会議の進め方(一応のめやす)
    1. 3人組で行う。相談場所は図書館内のどこでも可(自習スペース以外)
    2. 書き手のドキュメント(原稿やメモ書き)を共有する。
    3. まずは、書き手の「表現したいこと」「編集会議で助言が欲しいところ」を知る。ドキュメントに書かれていなかったら口頭で聞く。
    4. 書き手の原稿やメモ書きを読む
    5. 書き手の助言が欲しいところについて、みなでアイデアを出しあう。
    6. 時間は、一人につき10~15分程度を目安とします。
    7. 早く終わったら、各自の作業に戻る。自分で誰かほかの人を選んで編集会議をしても良い。

 「文章が良くなるには、一度書いた自分の文章を推敲できるかどうか。前日にやっつけでは、自分の文章を見直ししない。ここからが文章を書く力を伸ばすために重要」と、澤田先生は生徒に説明をしていました。

 編集会議の意義と進め方がわかったら、次に、澤田先生が書いている文章の下書きをプロジェクタで投影して、最初に読んでもらって、それから全体で編集会議を行います。

 澤田先生からは、「ここで“勇敢な男”のイメージを書けているだろうか?」「ここの表現は自分では、よく書けているかな?と思ったんだけど、かっこよすぎるだろうか?」というふうに、書き手として具体的な質問を生徒たちにしていました。澤田先生は、質問をしたい箇所にアンダーラインを引いて共有します。
 生徒たちからは「けっこう伝わっていると思います」「定番の表現から逸脱している感じ」「俳句の切れ字っていう感じで使うならOK」などのコメントが出ました。先生は、もらったコメントを書き込んでいきます。
 また、澤田先生は、「書き手は不安だから、“ここがよく書けている”も、ぜひ言ってください。できていることをきちんとコメントするのは大切です」と言っていました。書き手としての澤田先生がそこにいて、同じように文章を書いている生徒たちと対等な感じでやりとりをしているのが印象的でした。これで、この後に続くライティング・ワークショップの形を、先生自らが書き手となることで生徒たちに見せていることになります。こんな作文指導は見たことがなく、非常に興味深かったです。

 No.2に続きます。
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(為田)