教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

休校×ICTでやれたこと No.12 「Google siteで休業中の学習支援と次年度の学習の意欲付け」(東松島市立鳴瀬未来中学校)

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が打ち出した小中高校や特別支援学校などの臨時休校が2020年3月2日から始まりました。休校の状況にあっても、ICTを活用することで教育活動などを継続している学校の実践を「休校×ICTでやれたこと」として紹介していきます。

 今回は、東松島市立鳴瀬未来中学校の木村浩之 先生からいただいた実践で、「Google siteで休業中の学習支援と次年度の学習の意欲付け」です。

Q1:どんなふうに使っているかを具体的に教えて下さい。

 学校としてGoogleのサービスを活用していれば、Google siteを使って情報発信を行うことができます。

木村先生:学校で活用しているGoogle siteで、「鳴瀬未来中学校 学習支援」のサイトを立ち上げました。学年と教科ごとに、学習支援に役立つコンテンツをまとめて、休業中の学習支援と次年度の学習の意欲付けをしました。

サイトを立ち上げる際には、以下のような手順で行いました。

  1. Google siteに掲載するコンテンツについて、文部科学省宮城県の臨時休業中における学習支援サイトを参考にしたり、教科の先生から紹介してもらったりして情報収集した。
  2. 管理職に理解を得るのが早かったため、起案から公開まで1週間で行えた。しかし、先生方が伝えたい情報を探す時間がない、公開に向けての著作権(HPや動画のリンク)についてなどの反応があった。
  3. 修了式での学活でURLとQRコードをプリント配布しながら説明し、保護者へも通知した。
  4. 技術・家庭科においては、授業で活用しているアンケートフォームでチェックはしているが、公開するまで短時間のため成果の確認ができない状況。

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未来中学習支援

 今回の休校期間には、さまざまな教育コンテンツが紹介をされていましたが、それを先生方の目を通して整理して生徒に提供することにはとても意味があると思いました。

Q2:「もっとこうであればよかった」ということがもしあれば教えて下さい。

 「もっとこうであればよかった」というふりかえりを、木村先生は以下のように書いてくれました。

木村先生:休業中の課題は、紙に印刷し配付する形だった。冊子になった課題を見た生徒は、ため息をついていたためインタビューをしてみると、「サイトを立ち上げたのならサイトの中に課題があった方がやる気が出た。」と話す生徒がいた。やはり課題はサイトに掲載した方がよかった。

 アナログ(紙)とデジタル(サイト)との間に、生徒たちはどんどん差異を感じなくなっているのかもしれません。便利な方で使いたい、というふうになるのかもしれないと感じました。

まとめ

 最後に、木村先生から以下のようなコメントをいただきました。これからGIGAスクール構想に向かっていく学校にとって、いろいろなヒントが入っているコメントであるように感じます。

木村先生:学習のしかたにおいて、生徒がサイトから印刷し学習するイメージを持っている多くの教員ではデバイス等の活用方法に乖離があるため、今回のようなサイトになった。サイトの構築に向けた会議での教員の心配は「学校としての統一感」「インターネットができる環境の有無」だった。しかし生徒はインターネットに接続できる環境にあり、印刷ができなくともノートに問題を書いて学習するなど上手に活用する術を身に付けている。
教員の情報活用に対する意識を変えていく必要性を感じた。

 木村先生、どうもありがとうございました。

◆ ◆ ◆

 実践紹介と共に、「もっとこうであればよかった」も合わせてまとめておけば、GIGAスクール構想後の学校に役立つ知見になると思います。引き続き、フォームからの投稿を受け付けていますので、どうぞよろしくお願いします!

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(為田)