教育ICTリサーチ ブログ

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淑徳小学校 淑徳アルファ カズトロジー 授業レポート No.2(2019年度ふりかえり)

 弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで「カズトロジー」というコンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業を行っています。カズトロジーは図書室のなかにあるPC室を使って授業を行っていて、淑徳アルファの1年生全員と、2年生と3年生の希望者が受講しています。
 2019年度の1年間をふりかえって、それぞれの学年でどんなことをしてきたのかをレポートしていきたいと思います。

「じじつ」と「いけん」を分けて書こう

 2020年5月からschoolTakt(スクールタクト)を一人1アカウントで使うようにしていました。すぐに慣れて、みんな教室にやってくると、「先生、スクタク(もちろん、schoolTaktの略です)、ログインしていい?」と訊いて、どんどん自分でやっていくようになりました。テキスト入力に関しても慣れているので、さまざまなことを表現してもらい、それをみんなで見てもらって「いいね」やコメントを送り合う、というデジタルコミュニケーションをたくさんしていきました。

 さまざまなテーマにチャレンジをしてもらいましたが、秋に、事実と意見を両方伝える練習をするアクティビティが自分の中では印象深かったです。調べ学習の発表をしてもらっても、「○○でした」と調べたことだけを伝えたり、自分の住んでいる街を紹介してもらっても「駅前に郵便局があります」という事実だけを伝えたり、というのが多くて、「もう少し、“それでどう思うのか”とか“自分の伝えたいこと”とかを入れるようにしよう」と言って、その練習をしました。
 トマトの写真を貼り付けたファイルを配って、そこに「トマトです」という文章だけでなくて、自分の意見を書いてもらう練習をしました。また、ここで書いてほしいのは意見なので、自分の思ったことを何でも書いてみていいよ、ということも伝えました。
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 いろいろなことを書く子がいて、それを見て「いいね」を押し合うことができたのも良かったと思います。自分とはまったく違うことを書く子がいることを知るだけでも、自由な発想をするトレーニングのひとつになると思います。こうしたことが、schoolTaktを使うことで簡単にできるのは非常にいいことだと思っています。

プレゼンテーションに楽しんでチャレンジする

 1年の間に、2年生には何回かのプレゼンテーションの場を作りました。「はずかしいから、やらなくていい?」と訊いてくる子もいる一方で「やりたい!」と積極的な子もいます。
 プレゼンテーションに積極的な子は、みんなを楽しませようと、歌や踊りを入れてやってくれたりもしました。こうしたプレゼンテーションは学校の授業のなかではなかなか「いいね!」と言ってもらえないかもしれませんが、一方で「人を楽しませてあげよう」という気持ちは伸ばしてあげたい部分でもあるので、あえてどんどんやってもらうようにしました。それに合わせて、当然スライドなども作り込まれていて、非常におもしろかったです。

 プレゼンテーションを見た後には、自分たちのふりかえりをschoolTaktでまとめてもらい、それをみんなで共有しました。また、「上手な発表のポイント」にはどんなものがあるだろうか、というのもファイルを送ってそこにみんなで書いてもらいました。
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まとめ

 きちんと事実と意見を書き分けたり、上手に発表をしたり、という勉強は、来年度以降学年が上がるにつれてどんどん本格的に授業で学んでいくと思います。まずは、そこへのステップとして、「自分で考えて、自分がいいと思うことをしっかりやる」というのをテーマとして2年生にはいろいろなやり方を教えてきたつもりです。楽しみながらコンピュータを考え方や表現方法の武器として使いこなせるようになっていってもらえたらいいと思います。

 No.3に続きます。
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(為田)