弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を行っています。
3年生の授業では、毎年、「算数で学んだことを活かして、わからない数を計算する」という授業をしています。その練習問題として、「淑徳小学校の全員が、1年間で図書室で借りる本の数は何冊でしょうか?」という問いに取り組んでもらいました。
僕の方から言うのは、「4000冊!」「なんで?」「なんとなく!勘!」というのはやめましょう、どうにかして考えてみましょう、ということです。毎年、3年生はいろいろな方法でこの計算に取り組んでいます。「1年生はあんまり借りない…」「夏休みは少ない」「私は毎週借りてるから…」「先生、3年生って全部で何人いるの!?」など、さまざまなことを考えながら、schoolTaktで配布したワークシートに、どうやって計算すればいいのかを入力していきます。
今年は、そのなかですごくおもしろいと感じたのは、棒グラフのようなものを作ったり、折れ線グラフを描いてみたり、図で考え始める子がいたことです。こうして自分たちなりに「こう考えたらいいんじゃないか」ということを書き出す経験をしてもらうことが、ねらいです。多少数字が違うとか、式が大雑把とか、そうした点についてはコメントをしないようにして、「どう考えたか」をクラス全体で共有しながら見ていくようにしました。
いろいろな数字が揃ってくると、かけ算の計算が大変になってきます。手元のiPadでSiriを使って計算している子もいましたが、それでも大変なので、Googleスプレッドシートでの表計算機能を紹介してみることにしました。
「今日は、表計算をしましょう」と言うと、多くの子どもたちが「ヒョウケイさん!開けてください!」とサイボウズのCMのセリフを言っていました。あのCMによって表計算に親しみも湧くのではないかと思いました。
カズトロジーの時間では、子どもたちはGoogleアカウントを使っていないので、僕の方で共有のスプレッドシートを用意して、schoolTaktからリンクをはりました。みんなで同じスプレッドシートを共有して、シートを一人ずつ数字で割り当てて、自分の数字のシートを好きな名前に変えてもらい、そのシートを計算で好きに使ってもらうようにしました。
表計算の方法や、自動計算ができることのデモンストレーションを最初にしましたが、自分で数式を入力して計算できるようになるには、ちょっと時間が足りなかったと思います。失敗の理由としては、最初からちょっと表の規模が大きすぎたことと、半角で数式を入力するなど細かいスキルについての説明ができなかったことなどが挙げられます。もう少し、子どもたちに「ヒョウケイさん、便利!」と思ってもらえるような場面を作らなければ行けなかったと思っています。
今度は、もう少し小さな表で、数式をじっくり自分たちで作っていけるような課題を考えてやってみようと思います。表計算のスキルは、数字を扱うスキルであり、データを分析するスキルにも繋がっていくものだと思っていますので、何らかの形で子どもたちが楽しめるように授業を設計していきたいと思います。
(為田)