教育ICTリサーチ ブログ

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オンライン学習に向けたICT研修会レポート(2020年7月6日)

 2020年7月6日に、杉並区立済美教育センターにて開催されました、「オンライン学習に向けたICT研修会」の講師としてお招きいただきました。僕のプレゼンするパートのタイトルは、「1人1台タブレット端末による学校アップデート」でした。
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 済美教育センター所長の佐藤正明 先生が、最初の挨拶のなかで、「これからの杉並区における1人1台タブレット端末活用のあるべき姿をどう作っていくかを一緒に考えていきたい」とおっしゃっていましたが、1人1台タブレット端末を活用するようにすることは、子どもたちの思考や表現のツールとしてデジタルを使っていけるようにするということであり、「これからの○○をどう作っていくか」を考える作業そのものだと感じました。
 研修会に参加してくださったのは、小学校・中学校・養護学校の校長先生方をはじめ、教育センターの指導主事の先生方、ICT担当の方々でした。

 今回は、共著書『学校アップデート』のなかで執筆を担当した、実践事例を紹介させていただきました。タブレット端末は、「教員が使う」というよりは、「児童生徒が使う」というようになるところまでをイメージして、段階的に学校に入れていく必要があると思っています。

 終了後の懇談会でも出てきたのですが、「タブレット端末を1人1台配備して、どんな成果が上がったのか」というのを何で示すのかというのは、導入する側にとっては大きな責任になります。議会での説明、保護者への説明などもしていかなくてはなりません。ぜひ、「なぜ必要なのか」ということをしっかり杉並区のリーダーのなかで話し合っていただければと思います、とお伝えしました。配備率や稼働率などだけでは、「学びにどういう影響があるのか」などまでは伝えられません。どんな指標がいいのか、先生方が児童生徒の変容として見られて、かつ定量化できるものがあればいいな、と感じました。
 そうした指標を作っている事例などがあれば、知りたいです。地域によって実情が違うケースもあると思いますので、もしかすると「杉並区」という単位ですら、もしかすると大きすぎるのかもしれません。学校ごとに、どんな指標を作ることができるのか、ということもできるかもしれない、と思いました。

 子どもたちが思考や表現の道具として1人1台のタブレット端末を使って、どんな未来を切り開いていくのか、ということを、みんながイメージできるようにまとめていくことが必要です。「なぜ、1人1台端末が必要なのか」ということを思いとして共有していくことが重要ですが、これが難しいのです。配備しただけで終わらないように、いやいや先生方が使うようなことにならないように、自分にどんなことができるのか、ということを考えていきたいと感じさせられる時間となりました。

 佐藤先生、貴重な機会をいただきましてどうもありがとうございました。

(為田)