教育ICTリサーチ ブログ

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「埼玉の教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム in 戸田」 イベントレポート(2020年8月29日)

 2020年8月29日に、「埼玉の教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム in 戸田」にゲストスピーカーとして参加させていただきました。日本国内では北海道から鹿児島まで、またアメリカやニュージーランドなどからも参加した方もいらっしゃって、参加人数は200名を超えていたそうです。

 今回、ゲストスピーカーとしていただいたテーマは、「ICTのマストアイテム化」でした。Zoomで僕からプレゼンテーションを10分間行いました。
 今回のイベントにZoomで参加をしている先生方には、改めてGIGAスクール構想についての説明を行う必要はないかと思いましたので、そのあたりは飛ばして、「どうやって(How)一人1台を実現するか」よりも「どうして(Why)一人1台を実現しなくてはならないのか」ということを現場で共通理解をもって、それぞれの学校が主導権をもって実現するべき学びの形を作っていってほしいということをお伝えしました。
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 僕は、ICTがマストアイテムになるのであれば、「先生が教えるために使う」というところに留まるのではなく、「児童生徒が思考や表現のために使う」というふうになるようにしてほしいと思っています。最初は環境が整っていなかったり、先生方のスキル的な問題があって、というのがあるかも知れませんが、だからといって「授業支援ツールとして使う」ところで止まらず、その先に「児童生徒が自分たちの思考や表現のために使えるようになる」という姿を描いてICT導入に取り組んでいただきたいと思います。
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 プレゼンテーションの後は戸田市の先生方がファシリテーターとなってブレイクアウトルームで4人~5人でワールドカフェを行いました。ワールドカフェのなかで、さまざまなコメントをいただくことができました。
 ワールドカフェが終わったと、ファシリテーターの先生方が、Zoomのチャットにワールドカフェの様子を書き込んでくださり、全体で共有をすることができました。
 いろいろなコメントが書かれていました。課題になるポイントが多いのは、「ICTのマストアイテム化」が汎用的にさまざまなところに影響を及ぼすからこそだと思っています。だからこそ、「どうして(Why)一人1台の環境を実現して、学びに取り入れるのか」ということを価値として共有していないと、大変になるのではないかと思います。
 イベントの最初に事務局からお話があったように、「現場主義」はとても重要だと思っています。現場が最後に子どもたちにテクノロジーの使い方を伝える場であり、テクノロジーを使った児童生徒の思考や表現を受け止め、評価するのは現場の先生方だからです。
 ICTをマストアイテムとして使う学びの環境が先生方によって作られることで、子どもたちがこれからの世界で幸せに生きていけるようになればいいと思います。そのために、参加されたそれぞれの先生方の学校で、ICTのマストアイテム化というテーマを、「Why?」と考え続けていただければと思います。そのために、今回のイベントでの僕のプレゼンテーションが、少しでも役に立っていればいいな、と思っています。

 こうした機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。

(為田)