教育ICTリサーチ ブログ

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新渡戸文化小学校 授業レポート(2020年10月7日)

 2020年10月7日に新渡戸文化学園を訪問したときに、VIVISTOP NITOBEという教室で山内佑輔 先生が担当している小学校の図工の授業を参観させていただきました。VIVISTOP NITOBEは、レーザーカッターなどの最新のクリエイティブツールや、リサイクルマテリアルのようなクリエイティビティを刺激する材料を備えた、クリエイティブラーニング環境です。
www.nitobebunka.ac.jp

 今回の授業のテーマは、「色研究 Analog/Digital」でした。新渡戸文化小学校の児童は、一人1台iPadを持っていて、それぞれに思い思いの場所で色を研究していました。
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 自分のiPadで「C0M0Y0K0 || CMYK Printer Color swatch」というサイトにアクセスしていました。このサイトでは、CMYKの数値を自分で設定して好きな色を作ることができます。また、キーワードを入れることで、そのキーワードから色を創ることもできます。
cmykcolor.info

 児童はいろいろな色をどんどん創っていました。こうして何度も何度も試行錯誤をすることができるのは、デジタルのいいところだと思います。
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 児童は自分で作った色に名前をつけて、VIVISTOP NITOBEにあるMacに、iPadからAirDropでデータを転送して提出していました。iMaciPadと、Apple系でシステムを統一してあると、こうした提出方法やデータの共有などは非常に簡単に行うことができます。
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 この授業では、CMYKで数字を入力して色を創るという、デジタルな手法だけではなく、絵の具を使って色を創ることにも挑戦していました。山内先生は児童に、「アナログにも挑戦してほしい。iPadも道具だし、絵の具も同じように道具です。両方使ってみて、自分で使っていて心地よい道具を探してほしい」と言葉をかけていました。
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 絵の具を使って創った色は、白い紙に塗って、棚にどんどん置いていく形で提出していました。アナログでは目で見えてたくさんの色が並び、デジタルではコンピュータの中にみんなで創った色が並ぶ、というふうに、たくさんの創造が行われている授業だと思いました。
 児童が色につけた名前には、「ハッピー」「情熱の赤」「ワニの住む沼」「夕焼けの青」「リラックスピンク」などがあったそうです。色を創るところにも、名前をつけるところにも、創造性が表れていると思います。
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 デジタルが子どもたちの身近な道具として浸透してくれば、もっともっとたくさんの学校でiPadと絵の具セットが一緒に並んでいるという創作シーンは見られるようになってくるのではないかと思いました。

(為田)