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淑徳小学校 淑徳アルファ カズトロジー 授業レポート No.3(2022年4月26日)

 弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を行っています。

 2022年4月26日、2年生のクラスでは前週から続けて2回めの授業で、「小さい字が入ることばをたくさんかこう」という活動をしました。1年生の後半から隔週で1回の授業でキーボードを使ったローマ字入力を始めましたが、この4月に2年生になって本格的にローマ字の機会を増やしていきます。
 1年生の後半でキーボード入力を始めてすぐに、子どもたちから「先生、小さい“つ”ってどうするの?」とよく質問されます。ローマ字表には、「次の子音を重ねると…」と書かれていますが、ローマ字のルールを覚えていない1年生・2年生には難しいのが現状です。
 そこで、まずは、自分の入力したい文字を、一対一対応で、一文字ずつ、ローマ字を入力してもらい、その延長で、「小さくしたい文字の前に「x」を押してね」ということを教えています。

 前週の1回目の授業では、schoolTaktでワークシートを配り、ローマ字表を見ながら自分で小さい字が入った言葉(「っ」「ゃ」「ょ」など)を、「x」を使って思いつく限りたくさん書いてもらいました。
 2回めの今回は、最初に自分で書いた小さい字が入った言葉を、ドラッグしてワークシートの上の方に移動してもらいます。その後で、ワークシートの下の方に、大きな横長の円を2つ作ってもらい、真ん中で重なるようにします。そして、それぞれの丸の横に、「っ」や「ゅ」などのように、小さい字を書いてもらいます。
 そして、「っ」の丸の中に、自分が書いた「っ」が入っている言葉を移動させます。このときに、丸を再背面にしないといけないことを説明します。「丸が重なるところに入る言葉はどんな言葉かな?」と質問してみると、「“っ”と“ょ”が両方入ってる言葉!」と答えが返ってきます。「どちらの丸にも入らない言葉はそのまま外に出しておきましょう」と言うと、ルールはわかってもらえたので、子どもたちは自分たちでどんどん言葉を動かしていきます。

 丸に入れる/入れないというルールができたことで、逆に「“っ”と“ょ”が両方入る言葉ってある…?」と子どもたちが新しい言葉を探していくこともありました。

 みんな、自分の好きな言葉をたくさん書いていきます。お寺が好きな子は、お寺の名前や仏様の名前をたくさん書いてくれています。自分の好きな言葉を書くからこそ、ローマ字表を一生懸命見ながら書いてくれます。

 しばらく見てみると、みんながいろいろなチャレンジをしていることがわかりました。丸を3つにしている子もいます(3つになると、途端に難しくなるように思いますが…)。
 また、丸の後ろに画像を背景として貼り付けている子もいました。これは、「再背面に移動する」を適切に使えているということです。背景を入れる活動を取り入れてもいいな、と思いました。

 クラスメイトがどんな言葉を書いているかが見えることで、アイデアが広がることがあります。また、丸を増やしてみようか、とか、背景に画像を入れてみようか、とか、こうしたアイデアもクラス全体で共有できるのがいいと思います。
 また、ついでにベン図での情報の分類の仕方にも少しだけ触れることができたのも良かったと思います。1年間かけて、こうして少しずつシンキングツールに触れていく機会を増やしていこうと思います。

(為田)