竹田信弥さん+田中佳祐さんの『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』を読みました。表紙に大きく書かれていたタイトル「読書会の教室」だけを見て、「読書会を教室でどう行うか」についての本かと思って手に取ったのですが、「どう読書会を開催すればいいか、を教えてくれる」本でした。
デジタル/アナログを問わず、子どもたちがもっともっと本に親しむことができたらいいな、とずっと思っていて、そのひとつの方法として「読書会」をやってみたいな、と思っているのです。
本の最初に書いてあった、著者の2人が読書会を始めた目的が書かれていたのですが、まさに僕が思っていることでした。
私たちは、2013年頃から、「お店に人を呼びたい」という集客のための目的と「たくさんの本が読みたい」という自分たちの目的のために読書会を始めました。読書会を行うことで、ひとりでは読み切ることのできない本をしっかりと読むことができたり、知らない本との出会いがあったり、ただ読むだけでは得られない読書体験が広がったように感じています。(p.3)
読書会の良さについても書かれていました。学校で図書室+授業支援ツールを使えば、子どもたちの本の世界を広げるために読書会を使えないかな、と感じました。実際に授業としてやってみたいな、と思いました。
読書会だからこそ、人と話すことが苦じゃない。本が中心の会話なので、無理にプライベートなことを聞いたり話したりしなくていいのです。
また、課題本を選ぶのが嫌だったとしたら無理に自分ひとりで決める必要はありません。主催が本を選ばず、参加者に紹介してもらう形式もあります。読書会の開催方法にルールはありません。
(略)
他にも、たくさんのよい発見がありました。たとえば、「知らない作品に出会える」「読書仲間が増える」「読書会から新しいイベントが立ち上がる」「初対面の人でも本の話ならできる」などです。
そして、本書で読者のみなさんに一番お伝えしたいことは「読書会は、参加するのも楽しいけれど、自分で主催するともっと楽しい」ということです。(p.7)
読書会のときに、「どの本を題材にするか」=選書方法について、「課題本方式」と「持ち込み方式」の2つが紹介されていました。メモを共有したいと思います。
- 課題本方式
- 自分が選ぶ
- 事前に書名を伝えて、読んできてもらい、感想を交換したり、ディスカッションをする。
- 初対面の人同士でも共通の話題がある。
- 持ち込み方式
- 自分以外の人が選ぶ
- 参加者が自分の持っている本を持ち込んで紹介し合ったり、持ち込んだ本を使ってコミュニケーションゲームをしたりする方法がある。
- 気軽に参加できる。準備も課題本方式に比べれば少なくすむ。
- 主催者は参加者が安心して話せる環境づくりをする。
- 「プレゼントしたい本」「夏に読みたい本」のようにお題にそった本を持ち込んでもらうことが多い。
実際に学校で読書会をやってみたいな、と思わせてくれる本でした。課題本方式でも、持ち込み方式でも、どちらでもおもしろそうです。最初はクラスの授業でやってみたり、図書委員会+図書室でイベントにしてみたりしてから、自発的に続くようになると楽しそうだな、と妄想しました。
自分のもっている授業でできるように、設計を考えていこうと思います。
(為田)