教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

墨田区立小梅小学校 授業レポート No.3(2022年9月22日)

 2022年9月22日に墨田区立小梅小学校を訪問し、 片岡先生が担当する4年1組の国語の授業「ぴったりの言葉、見つけよう」を参観させていただきました。
 最初に先生は、「どきどきする。」と書かれたスライドをスクリーンに映して、「これって、どんな気持ちのときに使う?」と子どもたちに質問します。子どもたちからは、「心臓ばくばく」「うれしい、待ち遠しいとき」「きんちょうとか心配とか不安とか」「恋しているとき」「ゲームで敵から逃げるとき」などの答えが返ってきました。

 同じ「どきどきする」という言葉でも、いろいろな状況・場面で使われるということを先生は説明して、「ふあんでどきどきする」と「しんぞうがどきどきしてきた」の2つの文章をスクリーンに映して、同じ言葉「どきどきする」でも、どんな文章のなかで使われているかによって、心の動きの伝わり方が違うことを説明します。
 次に、先ほどの文章と、「ふあんでどきどきする」の部分を「きんちょうする」に変えた文章を並べて提示し、どちらの方が心の動きがより伝わるか考えさせました。

 ここで先生は、「ぴったりの言葉、見つけよう」とスクリーンに映して、「ふだんの生活の中で、心が動いた瞬間について、ぴったりの言葉を使って文章を書いてみよう」とこれからすることを説明します。「好きな給食の献立だと、“やった!”と心が動くよね」と先生は例を出して、心が動いたときに使ういろいろな言葉を探していこうと伝えます。

 人の心が動いた瞬間を表すたくさんの言葉を見つけてから、その言葉を使って5~6個くらいの文がつながった文章を日記のように継続的に書いていくという活動に繋がっていくそうです。

 先生は、ロイロノート・スクールで、「うれしい」「楽しい(楽しみ)」「きんちょうする」「つかれた」「かなしい」「くやしい」の6つの心の動きを表す言葉を書いていくワークシートを一人ひとりに配りました。
 最初は1人で考えてもらって、その後、3人グループでそれぞれが見つけた言葉を共有していきます。

 国語辞典で言葉を調べて、類義語を参考にしながら書いている子もいます。国語辞典で調べた言葉のページを開いて見ながら、iPadに入力していきます。

 iPadをスプリットビューにして、画面の半分で言葉を検索する子もいました。言葉を検索するときには、「うれしい 他の言い方」などのキーワードを使うなど工夫して、いろいろな言葉を検索していきます。

 最後に、みんなで書いた言葉をクラス全体で共有しました。「かなしい」を表す言葉として「しくしく」や「メソメソ」、「つかれた」を表す言葉として「骨が折れる」などが出てきました。クラス全体で同じテーマで言葉を探すことで、たくさんの言葉を探すことができます。
 一方で、インターネット検索にしても国語辞典にしても、見つけたページに書かれている定義文や例文から、どこの部分を言葉として拾うかが難しい場合もあり、心が動いた瞬間を表す言葉以外の言葉が出てきてしまうこともありました。そうした言葉は、クラス全体で話し合いながら、良い形に変えていく活動になっていました。
 こうした活動は、一人ひとりで言葉を探した後にみんなで共有するからこそできる活動だと思います。

 最後に、ロイロノート・スクールのアンケート機能を使ってふりかえりをしました。選択肢を選んでもらう形式と自由記述形式を組み合わせたアンケートでした。アンケート結果がすぐにまとまって、その場でみんなで見ることができるので、授業のふりかえりにも使えると思います。

(為田)