教育ICTリサーチ ブログ

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令和4年度全国学力・学習状況調査結果「1人1台端末の利活用状況について」

 2022年11月25日に文部科学省のサイトで「1人1台端末の利活用促進に向けた取組について(通知)」が公開されました。このなかで、2022年4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果から作成した「1人1台端末の利活用状況について」の資料を見ることができます。
 通知についている別紙1が「1人1台端末の利活用状況について」のまとめになっています。2022年4月に実施した全国学力・学習状況調査のなかで小学校6年生と中学校3年生に回答してもらった答えをまとめたものです。全部で6つの項目について調査を見ることができます。

  • 1人1台端末を授業で活用している学校の割合
  • 自分で調べる場面でICT機器を使用している学校の割合
  • 教職員と児童生徒がやりとりする場面でICT機器を使用している学校の割合
  • 自分の考えをまとめ、発表・表現する場面でICT機器を使用していいる学校の割合
  • 児童生徒同士がやりとりする場面でICT機器を使用している学校の割合
  • 1人1台端末を家庭で利用できるようにしている学校の割合

 この6つのそれぞれの場面について、小学校と中学校でどれくらいの頻度で利活用しているのか、「ほぼ毎日」「週3回以上」「週1回以上」「月1回以上」「月1回未満」に分けて、学校の割合がグラフにまとめられています。
 小学校と中学校それぞれを、都道府県別と政令指定都市別で、見ることができます。

 1人1台端末を授業で活用している学校の割合では、ほぼ毎日」が50%を声、「ほぼ毎日」と「週3回」を合わせると80%近くになっています。「授業で活用している」とはどんな場面なのか、というのがそれ以後の4つの場面(「自分で調べる場面」「教職員と児童生徒がやりとりする場面」「自分の考えをまとめ、発表・表現する場面」「児童生徒同士がやりとりする場面」)で、こちらの数字こそがどれくらいになるのかが注目だと思います。

 「自分で調べる場面」「教職員と児童生徒がやりとりする場面」「自分の考えをまとめ、発表・表現する場面」「児童生徒同士がやりとりする場面」のそれぞれで、よく使っている学校の割合は下がっていきます。まあ、それはそうですよね…。

 ぜひ、この資料に目を通してみて、ご自身の学校のある自治体はどれくらいの数値なのか。同じ自治体の小学校の利活用の割合と中学校の利活用の割合の数値がどれくらい違うのか、というのを見てみるといいように思います。

 授業を参観させていただいたり、研修に呼んでいただいた学校がある都道府県や政令指定都市の数値を重点的に見ていきました。体感している感じでは、ここに出ている利活用の数値よりも、もう少し下な気はします。

 こうした「ほぼ毎日」利活用している学校がどれくらいあるのか、「週に3回」使っている学校がどれくらいあるのか…という大局的なデータは政策の成果(あるいは進捗)を見るためには必要だと思いますが、僕ら学校をサポートする仕事をしている人たちにとっては、「自分で調べる場面」「教職員と児童生徒がやりとりする場面」「自分の考えをまとめ、発表・表現する場面」「児童生徒同士がやりとりする場面」をもっと具体的に考えて、その事例を横に広げていけるようにしないといけないな、と思いました。

1人1台端末の利活用促進に向けた取組について(通知)

(為田)