2022年12月2日に逗子市立逗子小学校を訪問し、公開研究授業に参加させていただきました。研究主題は「友だちとの関わりを通して、ともに学び合う姿をめざして ~ICTを活用したコミュニケーション能力の育成~」で、1年生~6年生までの6クラスと支援級「なかよし」の7つの授業を参観させていただきました。
逗子小学校の研究には、2022年4月から年間で指導案検討と研究協議後の協議に関わらせていただいて、今回が3回目の公開研究授業です。一人1台のChromebookを活用して、どのように研究主題に迫れるかについて、他校の実践事例を紹介しながら、逗子小学校の子どもたち・先生方に合う形での授業づくりをお手伝いしています。
今回も、公開された授業では、「友だちとの関わりを通して、ともに学び合う姿」を目指したChromebookの活用する子どもたちの姿を見られたのですが、それと共に先生方の協議会での学び合いもICTの活用によって質が高まってきていると感じました。
今回の公開研究授業では、1年生~6年生の各学年1クラスと支援級がそれぞれPadletでオンライン掲示板を開設し、先生方はそこに成果や課題、講師への質問を色分けして書き込んでいくようになっていました。
公開授業を参観している先生方が、授業を見ながらすぐに気づいたことを書き込めるようになっています。授業を見ているときに文章でまとめることで、思考が整理される人もいると思います。文章の内容を補足するように、写真や動画を埋め込んでいる先生もいました。
こうしてPadletを使ってオンライン掲示板に授業についてのコメントや写真などを集めておくことで、研究協議会の様子は大きく変わると思います。
今までの研究協議会では、最初に「授業を参観して、コメントはありますか?」と司会者が言い、参加者の何人かが発言をしていき、それぞれについてディスカッションをしていく形式が多かったと思います。でも残念ながら、限られた時間のなかで、参加した先生方全員のコメントを聴くことはできなかったと思います。Padletを使えば、研究協議会がスタートする時点ですでに全員のコメントを読めるようになっています。そして、それを読んで、「これ、私も気になりました」とディスカッションを始めることができるようになったのです。
また、動画や写真があることで、その場面をみんなでもう一度見直すこともでき、そこからディスカッションが深まることもありました。写真を見たり動画を見ることで記憶が喚起されたり、新しく論点が見つけられたりもします。
Padletはオンライン上の記録としても残せるので、研究協議会が終わった後にアクセスして、じっくり読むこともできます。
逗子小学校では研究協議会を低学年・中学年・高学年・支援級とブロックごとに行うので、先生は1つのブロックにしか参加できませんが、Padletで他の学年の授業についてのコメントを読むこともできるようになります。
このように、Padletを活用することで、先生方が公開授業を見て得た知見=情報量を大きく増やし、それを共有することができるようになったと思います。
今回のPadletを活用した研究協議会で、デジタルによって情報のまとめ・共有の様子が変わったことを先生方が体験できたと思います。この体験を通して、「こういう新しい情報のやりとりを、子どもたちと授業でやったらどうなるだろう?」と新しいアイデアが先生たちから生まれてくると思います。
先生たちがアプリ(今回はPadlet)を研究協議会や研修の場で実際に自分で使ってみることで、多くの先生方は子どもたちの学びがどう変わるのかを考えると思います。
(為田)