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さとえ学園小学校 授業レポート No.3(2022年12月7日)

 2022年12月7日にさとえ学園小学校を訪問し、工藤泰浩 先生が担当する5年1組の社会の授業「どうする家康!?信長さんや秀吉さんはこうしたらしいですよ。」を参観させていただきました。授業テーマは、2023年のNHK大河ドラマにかけたもので、教科書と参考書を読みながら、織田信長豊臣秀吉が行った政策に着目して調べて、徳川家康にアドバイスする手紙を描くという活動を行っていました。

 徳川家康にアドバイスをする目的で、織田信長豊臣秀吉のそれぞれの優れている政策を比較・関連・総合する見方を働かせながら全国統一への動きについての理解を深めていきます。

 工藤先生が、子どもたちが自分の目的や得意・不得意に応じて、学び方を選択できるように場作り・雰囲気作りをしていると感じる授業でした。
 子どもたちは、みんな思い思いの方法で信長と秀吉の政治について調べ、まとめていました。一人1台のiPadで、KeynoteやXmindなど、それぞれに好きなツールを使っていました。もちろん、iPadを使わずに、黒板に記入しながら話し合っている子たちもいました。

 信長と秀吉の政策を調べるための資料は、教科書や副教材と合わせて、資料のプリントが配布されていました。
 信長のプリントには、「キリスト教宣教師と信長」「楽市楽座」「天正遣欧使節」「南蛮貿易」「堺」「石見銀山」などのキーワードとQRコードが印刷されていました。秀吉のプリントにも同じように、「太閤検地」「刀狩り」「天下統一」などのキーワードとQRコードが印刷されています。QRコードを読み込むと、NHK for Schoolの動画を見ることができたり、詳しい情報が書かれたサイトを見ることができるようになっていました。
 「何でも自由に使って調べていいよ」というだけでなく、最初に取り掛かれるプリントを工藤先生が準備をしていることで、調べ始めがスムーズにできるようになっていたと思います。

 授業中、自由にクラスメイトと話し合うことができるので、教室のあちこちでお互いの調べた内容を見せ合いながら考えを広げていく場面もたくさんありました。

 授業の最後には、ふりかえりを行い、工藤先生が子どもたちが調べたこと、気づいたことをまとめていきます。黒板にも子どもたちの机の上も、「自分たちでたくさん調べた」痕跡があって、とてもいいなと思いました。

 こうした授業を受けることで、自分たちでどんどん調べてみて、それをクラスメイトと交流することで「あ、そういうのもあるんだな」と考えが広がって、新しく調べてみたいことが増えて…というふうに、どんどん探究する力がついていくと思いました。

 No.4に続きます。
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(為田)