2023年12月7日に西武学園文理小学校を訪問し、島澤建吾 先生が担当する4年1組の社会の授業を参観させていただきました。この日の授業では、「国土の気候の特色」について学んでいました。島澤先生は、「前回の授業で、同じ日本でも桜の咲く季節が違っていて、沖縄では1月くらいから咲くし、青森ではゴールデンウィークくらいに咲く、という話をしましたね」と言い、日本の各地で気候は全然違っているということをふりかえりました。
島澤先生はプロジェクタで雨温図を映しながら、雨温図である場所の降水量と気温の月ごとの変化を見ることができることを確認します。
雨温図を指さしながら「いつ頃、雨が多いの?」と質問すると、子どもたちは雨温図を読んで「9月と10月」と答えます。さらに島澤先生が「その時期に雨が多いのはなぜ?」と質問すると、「台風が来るから」というふうに子どもたちが答えます。雨温図を一緒に見ながら、子どもたちとやりとりをして雨温図の読み方を確認していきます。
日本の気候区分として、太平洋側・日本海側・中央高地・瀬戸内・南西諸島・北海道があることをみんなで確認してから、ロイロノート・スクールで配布された各地の代表的な都市の雨温図を見比べて、グループで東京と他の都市を比べて気づいたことを話し合っていきます。
2つの雨温図を横に並べて、大きさを揃えると気温や降水量を見比べやすくなります。子どもたちはそれぞれに工夫をしながら雨温図を見比べ、特徴を考えていきます。情報をどんなふうに見たらわかりやすくなるのかを気づくためにもこうして自由に試行錯誤ができる時間をとることは必要だと思います。
グループ活動の時間をとった後で、東京と札幌の雨温図を比べてどうだったかを発表してもらいます。子どもたちから「札幌は梅雨の時期の降水量が少ない」という意見が出ると、島澤先生は「どうして?」と質問します。
子どもたちが「北海道には梅雨がないから」と言ったときに、島澤先生が「6月に、北海道へ宿泊研修で行ったでしょう?雨、降った?」と訊くと、子どもたちは「あ、降らなかった!」と自分の体験と雨温図が結びついた様子でした。
他の都市についても気づいたことを発表してもらいます。その都度、地図帳を見ながら、グループで考える機会を多くとっていました。iPadだけでなく、教科書や地図帳、ノートなどを使いながら考えていきます。
近いうちに、これに加えてデジタル教科書やGoogle Earthなどさまざまなツールも学習ツールとして使えるようになっていくと思います。そうすると、社会科の授業の幅がもっともっと広がっていきそうだと感じました。
こうしてみんなでどんなことが考えられるのかを話し合う活動があることが、学校の良さだと感じました。
(為田)