2023年12月18日に洗足学園小学校を訪問し、山田将太 先生が担当する4年A組の理科の授業を参観させていただきました。山田先生の理科の授業は、45分間のなかでいろいろなタイプの活動が入っていました。
授業の最初に2人の子が順番に、それぞれ自分で作ったスライドをプロジェクタで映して、理科プレゼンをしました。「蛇は世界に3100種ほど数がいます。世界で一番小さい蛇は何cmくらいでしょうか」というようにクイズを入れたり、聴いている人たちに興味をもってもらうための工夫をしていました。
続いて、身近で見つけた理科に関係する写真をInstagramのフォーマットに合わせて子どもたちが投稿した「リカスタグラム」を紹介する時間になりました。この日は子どもたちが撮影したカマキリやミミズなどの写真と動画が紹介されました。
山田先生は「リカスタグラムは、冬休みも募集中です」と言っていました。子どもたちは冬休みに自分のiPadでいろいろな写真や動画を撮影してリカスタグラムのコンテンツを増やしていくことでしょう。一人1台のiPadがあるからこそ、子どもたちが自分の身の周りで見つけた理科に関することを簡単に撮影して、その写真や動画をみんなで簡単に見られます。ここから理科への興味を深めていく子もいると思います。
リカスタグラムの写真を冬休みにもiPadで撮影するという活用は、一般的には「持ち帰り」という言葉で紹介されることが多いと思います。洗足学園小学校では導入当初からiPadは家から持ってくるものという意識なので、子どもたちも先生方もiPadの「持ち帰り」という感覚はない、と赤尾綾子 教頭先生が後日教えてくれました。
理科プレゼンとリカスタグラムの紹介の時間が終わると、子どもたちは4人グループでKeynoteを使って作っている「植物のリンク図鑑」のプロジェクトの続きに取り組みます。
「植物のリンク図鑑」のトップページに植物の分類があって、分類に書かれている項目をタップすると詳細のページが表示されるようにKeynoteでリンクを設定しています。
子どもたちはグループで1つのKeynoteファイルを共同編集しているので、それぞれにページを分担していました。詳細のページを書くために、教科書などの資料やインターネット上の情報などにアクセスし、まとめていきます。
詳細のページには、写真やイラストなども入れています。グループ内で編集長的な役割をする子がいて、絵が上手に描ける子に「これがもうちょっと育ったイラスト描いてよ」と、イラストを発注していたりもしました。こうしたやりとりがグループの中で生まれるのはとてもいいことだと思います。
ある程度時間が経過したところで、途中経過をクラスで共有します。山田先生が「6班さん、発表してください」と言うと、6班の代表の子がApple TVでミラーリングして画面を映して、分類図のところから詳細のページへリンクが貼られているか、内容がわかりやすいかをデモンストレーションしていきます。「こだわっているのは、フォントとか字の大きさを合わせています」というふうに、どんな工夫をしているかを発表してくれたので、こうしたノウハウがクラス全体で共有されるのもいいと思いました。「植物のリンク図鑑」プロジェクトは次回以降も継続して作成していきます。
ここで山田先生は、子どもたちとクイズアプリ「Blooket」を使って「植物の仲間分けクイズ」をして、理科の知識の復習をするために時間をとりました。子どもたちが自分のiPadでBlooketに参加して、問題に取り組んでいきます。
子どもたちが取り組んでいたのはBlooketのGold Questモードでした。決められた数の問題を問いて正答数や所要時間などからランキングを決めるのではなくて、制限時間内に先生が作成した問題がくりかえしランダムに出題されます。問題に正解すると、3つの宝箱が表示されて、そこから1つを選ぶと得点が増えたり減ったり、ときに他のプレイヤーから奪ったりと運の要素が入っているので、あまり問題を解けない子たちも問題に取り組むモチベーションを失わずに参加できていました。子どもたちの熱中度はすごかったです。
最後にクラス全員での合計正答数、誤答数が表示されるのもおもしろいと思いました。使用言語が英語しかないのですが、さまざまなゲームモードが選べるのが魅力的で、じっくり自分でも使ってみたいなと思いました。
山田先生は、授業の最後に「ものの体積と温度」についての理科テキストを学ぶ一斉授業を行いました。Blooketでの盛り上がりから、みんなで集中して話を聴くモードになる切り換えがすごかったです。
ロイロノート・スクールで配布しているプリントをみんなで音読した後で、資料を映しながら山田先生は説明していきます。
ロイロノート・スクールにプリントが配布されているので、説明を聴きながらiPadで書き込みをしている子もいました。
45分間の授業のなかで、「理科プレゼン」「リカスタグラム紹介」「植物のリンク図鑑作成」「Blooketで理科クイズ」「ロイロノート・スクールで一斉授業」とさまざまなタイプの活動があって、子どもたちがしっかり切り換えて授業に参加していることに驚きました。1時間で一人1台のiPadの授業での活用方法の幅を見ることができたように思います。
No.3に続きます。
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(為田)