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洗足学園小学校 授業レポート No.1(2023年12月18日)

 2023年12月18日に洗足学園小学校を訪問し、佐々木美紀 先生が担当する2年A組の国語の授業を参観させていただきました。この日の授業のテーマは「お話の作者になろう」で、子どもたちは一人1台のiPadでPagesを使って、自分でお話を作っていました。ほとんどの子がこれまでの授業でお話の文章を書き終わっていたようで、この日は文章に合わせた絵を描いてページに入れている子が多かったです。

 絵を自分で描くだけではなくて、ページのどこに配置するのかを決めたり、絵の大きさを変えたり、回転させたり、子どもたちはページの編集をしていきます。
 自分で描いた絵だけではなく、先生からも使っていい絵が配布されているので、それを使っている子もいました。

 デジタルならではの絵の描き方をしている子もいました。自分で描いたキャラクターの絵をコピー&ペーストして、顔の部分だけを範囲指定して選んで回転させることで、顔の向きを変えていました。
 こうして、同じキャラクターの絵をもとに少しずつ違う絵を作っていました。思い通りにいかなかったときは何度もやり直し(Undo)のボタンを押していて、こうしてコピー&ペーストやUndoを使った創作の試行錯誤ができているのは、デジタルで描いているからこそできる良さだと思いました。

 自分のお話が完成したら、友達にお話を読んでもらって、間違えているところや書き直したほうがいいところを教えてもらって、そこを直してお話を完成させます。
 佐々木先生は、「絵よりも文章がわかりやすいか、お話が伝わるかを読んで、もっとお話がよくなるように直した方がいいところや書き直した方がいいところを教えてあげて」と子どもたちに伝えていました。
 自分のお話を完成させるのに夢中で、友達に見てもらっていない子たちにも、友達に読んでもらって、直したほうがいいところを教えてもらうのが大事ですよ、と伝えていました。こうして友達の意見や感想をもらい、それを受け入れてお話を書き直す機会が多くとれるのも、デジタルでの創作の良さだと思います。

 お話が完成したら、クラスみんなでお互いの作品を読み合う鑑賞タイムになりました。iPadを交換して、お互いの作ったお話を読んでいます。お話を一緒に読んで笑い合ったり、「この字、なんて読むの?」と質問をしたり、そうしたやりとりが生まれていました。こうして目の前で友達が自分の作った作品を読んでくれて、「おもしろい!」って言ってくれる場ができるのは、学校ならではだと思います。

 佐々木先生は、「お友達の間違い探しじゃなくて、お友達の作品を楽しむ時間にしてください」と伝え、ロイロノート・スクールで作品を評価するためのシートを配布しました。友達の作品を読んでコメントを書いて、☆印をコピー&ペーストして増やしてつけていきます。

 最後に、完成したお話をPagesからPDF形式で書き出して、ロイロノート・スクールで提出してもらいました。
 また、iPadのBookで読めるようにEPUB形式でも書き出しました。操作方法を伝えれば、子どもたちは自分のiPadで自分の作品をEPUB形式にできます。佐々木先生は「家の人に読んでもらってね」と言っていました。作品が電子書籍の形式になって親子で読むことができるのもいいと思います。

 No.2に続きます。
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(為田)