弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を行っています。
3年生の授業で、「自分で本をつくろう」という活動を1学期から続けてきました。最初に、一人ひとりどんな本を作ってみたいか自分でアイデアを出していきます。ストーリー形式の本だけでなく、ゲーム形式で遊べる本だったり、家で飼っているペットの写真を入れた自分だけのオリジナル写真集だったり、さまざまなアイデアが出てきました。
この後、そのアイデアをもとに自分でどんどん本を書いていきます。毎週少しずつ一人ひとりが自分の本を制作していきました。操作方法に慣れているということと、他の人が作っている作品をいつでも読むことができるようにと思って、いつも使っているschoolTaktを使うことにしました。
制作期間としては、授業4回分くらいをとりました。子どもたちの多様なアイデアが本に盛り込まれていくのがおもしろかったです。ゲーム形式の本で、ページいっぱいに動物のスタンプをコピー&ペーストして置いて、同じ大きさのスタンプを探す本などができてきます。この子は、どんどんページを作っていって、「新しい本を作っていい?」と言って、まったく違う本を3冊作りました。
一方で、ストーリーの設定を考えては直し、書いては直し、と少しずつ書き続けている子もいます。この授業はアフタースクールの授業(正課でない)だからこそ、好きなだけ時間をかけてみて、結果として書き上げられなかった、という体験でもいいと思い、自分のペースで本づくりに取り組んでもらいました。
時間をかければかけるほど、進度の差が大きくなってきました。ストーリーを作るのに時間をかけている子の作品を、クラスメイトが設定作りを手伝ったり、内容のチェックをしたり、編集者的に手伝う子も出てきました。「わたし、人のを手伝うのが好き」と言っているのを聞いて、たしかに「創作」と「創作サポート」の両方ができる授業もおもしろいなと思いました。
自分のiPadを使って挿絵のイラストを描いてあげている子もいました。iPadを持ち帰って、家で本作りを進めたり、お母さんと一緒に制作したり、いろいろな取り組み方をしている様子が見られました。
2022年9月27日の授業で、完成した本を印刷して配布しました。ホチキスを上で止めるか、右で止めるか、左で止めるか、製本作業も自分で考えてやってもらいました。コンピュータの画面で見るのと、紙で綴じたものを見るのは少し違うようにも思えたようで、「見て見て!」と見せに持ってきてくれました。
紙になった状態で読み返してみて、「ページ数が入ってなかった!」など、改善点を見つけられた子もたくさんいました。自分のアイデアを考えて、制作に可能な限り時間をかけてみるという活動は、これからも続けてみたいと思います。一方で、凝りすぎて完成に至らない、という子もいます。そうした「書くのにすごく時間がかかった」「書き上げることができなかった…」という体験も重要だと思っています。
No.4に続きます。
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(為田)