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戸田市立芦原小学校 授業レポート No.1(2024年2月21日)

 2024年2月21日に戸田市立芦原小学校を訪問し、石田卓矢 先生が担当する6年3組の理科「生物と地球環境」の授業を参観させていただきました。子どもたちは、食品ロス、海洋汚染、森林破壊、絶滅危惧種など、自分たちの興味のあるテーマを調べ、問題を発見し、その解決に向けての方法について調べて、最後にプレゼンテーションをします。
 授業の最初に石田先生は、「自分たちだからできるプレゼン」を目指してほしいと子どもたちに伝えていました。子どもたちはインターネットからも、Canvaなどのアプリからも、素材を選んで使うことができます。でも、そうしたどこかからもってきた素材よりも、自分たちで描くイラストや図を使ったり、自分たちで撮影した写真を使ったりする方が、「自分たちだからできるプレゼン」になるということを伝えていました。子どもたちがいろいろなツールを使いこなすようになってきたからこそ、先生が授業の中でこうしたメッセージを子どもたちに伝えていくことはとても重要だと思います。

 石田先生の話のあと、グループでの活動に入ります。どこで活動するかを自分たちで決めることができるそうで、教室に残って話し合いをするグループも、図書室へ移動するグループもありました。
 プレゼンテーションの準備に入っているグループは、Canvaやロイロノート・スクールを使ってスライドを共有して作っていました。共有していることで同時にスライドを編集できるので、内容ごとにページを分担して作ることができます。
 Canvaでスライドを作るのと同時並行で、プレゼンテーションの原稿を作っているグループもありました。Chromebookの画面を分割して、Canvaのスライドを表示させながら、Googleドキュメントで原稿を書いていました。
 CanvaもGoogleドキュメントも、共有設定が簡単にできるので、こうしたグループワークのときに便利です。教室で対面でディスカッションをして方向性やこれからやるべきことを決めたら、みんなで分担してすぐに作業に入れます。作業に応じて、どこでどのように作業をするのがいいのかを自分たちで決めることができます。

 図書室で活動をしていたグループは、本がたくさんあるので、テーブルの上に本を広げながら話し合ったりスライドを作成したりしていました。

 石田先生は教室と図書室を行き来しながら、それぞれのグループでどんなことを調べ考えているのかを見とりながら、さらに考えを深めていける問いを投げかけていきます。
 子どもたちが一人1台のChromebookでさまざまなアプリやツールを使いこなせるようになって、いろいろなことを表現できるようになったからこそ、「伝えたいことは何か」「この表現がいちばん伝わりやすいか」という本質的なところを先生がサポートすることが重要になってきていると思います。
 アプリやツールの使い方を教えることは、芦原小学校においてはもう先生のメインの役割ではなくなっています。先生のメインの役割は、アプリやツールを使って問いに向き合える環境を作ったり、さらに問いへと向かう手助けをするということになっていると感じました。

 No.2に続きます。
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(為田)