2024年7月29日に藤沢市教育文化センター研修講座の講師をさせていただきました。これまで藤沢市教育委員会でのお仕事としては、2021年8月に校長・教頭研修(オンライン開催)、2023年5月に情報教育研究部会に講師として登壇させていただきました。また、2023年11月には藤沢市立藤沢小学校で6年生の国語の授業でICTを活用している授業を参観させていただきました。
今回は、藤沢市教育文化センター研修講座として、「ICTを活用した授業づくり」をテーマに講演をしました。参加申し込みは90名ほどだと事務局の先生から伺いました。ICTの活用について多くの先生が関心をもっていただいているのはありがたいことです。
今回は講演の時間が150分間と長めに設定されていたので、前半90分間で「そもそもICTをなぜ学校で学ぶ必要があるのか」について話をし、その後で「ICTを活用した授業事例」をさまざまな教科・活用場面で使っているのを紹介し、それらをまとめて「教育ICT利活用の目的9類型」と組み合わせて紹介をしました。
休憩時間を挟んで後半の最初にPadletにアクセスしてもらって、コメントと質問を色分けして書き込んでもらう時間をとりました。
いつもの研修では、スクリーンに投映したQRコードをスマホなどで読み込んでもらいますが、今回は会場が大きかったので、事務局の先生方にお願いをしてQRコードを印刷して配布してもらっていました。手元にQRコードがあることでアクセスしやすいだけでなく、QRコードが印刷された紙をそのまま勤務校へ持ち帰れば、今日参加していない同僚の先生に「こんなの使ったよ」とPadletを見せたり、Padletに書かれた内容を一緒に読んだりもできます。
今回は大きな会場で、ここで「コメント・質問ある方はぜひ、挙手をお願いします」と言っても、そもそもそんなに手が挙がらないと思いますし、挙がったとしてもコメント・意見を発表できる人数は知れています。
せっかくこうした研修講座を任せてもらったので、藤沢市の先生方が僕の話を聴いてどんなことを感じたのか、どんなことを疑問に思ったのか、できるだけたくさん聴かせてほしい(=読ませてほしい)と思ったので、Padletを活用しました。結果的に、すごくたくさんの書き込みをもらうことができました。これが僕の話したことへのフィードバックにもなります。
僕に対するフィードバックだけではなく、Padletに書き込まれたものは全員が読むことができるので、自分で書き込みが終わった先生方は熱心に他の先生が書き込んだ文章を読んでいました。
今回の藤沢市の研修講座のPadletで特徴的だったのは、質問のカード(色を「レッド」にしてもらっています)の数の多さです。質問があまり出てこないことは、研修講師をしていていちばんさみしいことです。こうしてたくさんの質問をいただけたことは本当にありがたいです。
「PCの持ち帰りについて」「学校での使い方のルール」「コピペしてやったつもりになってしまう子どもたち」「デジタルドリルについて」「低学年の文字入力について」「休み時間の使用による体力低下」「今後の端末の入れ替わりについて」「タイピングについて」など、どれもみんなで考える必要のある大切な視点の質問をいただきました。
複数の先生方が書いてくれた質問から優先的に答えていきました。どれも簡単に「こうしたらいいです」と解決できるものでもないですし、僕自身が答えをもっていないものもありましたが、自分で答えられる範囲で回答をしていきました。
時間いっぱいまで回答していっても、すべての質問のカードに対しての回答ができなかったので、「今日中に、質問のカードについては、返信を書きますので、明日以降にでもPadletにアクセスしてみてください」と先生にお伝えしました。
この日の夕方までに、Padletのコメント機能を使ってすべての質問に答えました。こうしてPadletを活用することで、研修時間が終わった後にも講師と質問のやりとりができます。別にPadletを使ってほしいというわけではなく、こうしてデジタルツールを使うことで、今までだったらできなかった質疑応答のやり方ができたり、コメントのフィードバックを得るやり方ができる、ということを先生方に体験してもらいたいと思い、こうした方法をとりました。
先生方からいただいたコメントも読ませていただきました。「デジタルとアナログ 0/100じゃなくていい、はその通りだと思いました」や、「今までは教科の単元に合わせてICTを使うことを意識していましたが今回9類型をうかがって、そもそもなんのためにICTを使うのかを意識していきたいと思いました!」「事例が多く、なるほどなと思いました」というようなコメントもいただきました。
僕は小学校から大学まで藤沢市で学んだので、藤沢市は地元です。今回の研修講座にも僕の母校の小学校・中学校から先生が参加されていました。藤沢市の先生方のお役に立てたならばうれしいなと思います。
また、中学校時代に教わっていた先生が、研修講座の案内に僕の名前を見つけて、当日会場で声をかけてきてくださいました。Padletには、「30数年ぶりの教え子の成長した姿に感激でした」というコメントを書いて頂きました。僕が中学校を卒業してもうすぐ35年になります。たくさんの教え子がいるのに、きちんと僕のことを覚えていてくださったのが本当にうれしかったですし、声をかけていただいて感激しました。先生という仕事の凄みを感じた瞬間でした。
地元である藤沢市への恩返しを、少しずつでもできればいいな、と感じています。今後も藤沢市の学校での活用研修や、授業づくりのサポートなどもできればと思っています。
(為田)