学校の休校が続き、学校が教育だけでなく、安全、福祉などの機能も担っていて、先生方が支えていてくださっていたのだということが、改めて認識されている状況だと思っています。
さまざまな「学校は○○すべきだ」という声も聞こえてきますが、そこで重要なのは、「何を問題として捉えているか」ということだと思います。それを「自分ごと」として考えてみる【思考実験】をするために、「もしも私が“教務主任”だったら…」というアンケートをとりました。2020年5月5日16:13現在までにいただいた回答を以下にまとめています。(前回から追記した部分は、赤字にしています)
休校期間の延長が検討されている自治体も多いと思います。そのなかで、学校での準備作業も並行して進んでいると思います。連休に入る前に、考える材料として提供したく、2020年5月5日版として公開します。
もしも私が“教務主任”だったら…
もしも自分が“教務主任”だったら、「今の状況で最も重視するのは~~~。そのために、すべきことは~~~。」という定形でのアンケートにお答えいただきました。ご記入いただいた職業も参考に入れました。「もしも私が“学校長”だったら…?」よりも、具体的な話が多いように思います。
- 【小学校講師】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは子どもたちの学習をどう確保するか。
そのために、すべきことは探究的な学びができる問いの設定。- 【教員】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは児童・生徒の学びを止めない。
そのために、すべきことは遠隔学習指導体制の確立、と、教員の遠隔学習指導への対応力強化(研修)。。- 【会社員】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは児童生徒の学習権の保障。
そのために、すべきことは家庭の状況・環境調査。- 【 】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは自分も含めて児童生徒、そして学校に関わる教職員の命を守る。
そのために、すべきことは率先して在宅ワークをする。- 【教頭】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは年間の学習内容のありかた。
そのために、すべきことは学校再開から年度末まで残された時間で、何を取って何を捨てるのかシミュレーションを繰り返す。- 【会社員(宮城県)】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは生命を守り、子供たちのメンタルケアをすること。
そのために、すべきことは自宅待機させている児童生徒へ、週に一度連絡するようにして、自宅待機で何が困っているかを電話で聞く。35人学級が実現出来ているのであれば、1日7人と電話するよう指示。- 【特別支援学校教諭】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは一人ひとりの児童生徒のニーズに合った学習機会の提供とオンライン会議システムを用いたフォローアップ。
そのために、すべきことは【カウンセラー・コーチング(コーチ)】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは不安やイライラと向き合う事。自分のココロと向き合う事。自分の心の変化を認めてあげる事。
そのために、すべきことは不安を言葉にしてみる事、感じるままに言葉に出来る場所、小さなチャレンジを聞いてくれる場所を閉鎖型で言葉にして吐き捨てられるweb上かボイスメッセージ、チャットの場所を創る。自分の心と向き合う練習。不安を言葉にしてみる練習。言葉にして吐き出す安心安全な場所があることで自分のココロの変化を観察してみる練習。【校長】もしも私が“教務主任”だったら、今の状況で最も重視するのは学習課題、収集、評価の公平性及び今後のスケジュール管理。
そのために、すべきことは教職員の意識共有。
いただいたコメント
フリーコメントもご記入いただいたものを抜粋して紹介します。コメントの方にも、学ぶ点はたくさんあります。ありがとうございます。
- まず改めて法令上の教務主任とは、を調べました。大変ですね、教務主任。
- 教員ではないため、もうやっている学校もあるかもしれませんが、毎週担任から連絡では無く、いろいろな先生から電話してもらうほうが効果的かと思います。在校生の中にも、新担任が嫌いな児童生徒がいるかもしれませんので、いろいろな先生から連絡するようにしたほうが良いかと考えます。
- みんなが不安なときだから、不安な気持ちでも共有できれば希望に繋がる!!横断歩道みんなで…じゃないけど…子供たちの強さを信じています!子供たちは守られるだけの存在じゃない!!
- 先が見えない中でのカリキュラムマネジメントは、最悪ケースの想定が必須です。
まとめ
アンケートを開始したときにも書きましたが、正解を探したいというわけではなく、さまざまな選択肢を見えるようにしたい、というのが目的で行っています。ぜひ、このアンケートの結果を建設的に、自分の居場所に持ち帰り、何ができるかを考えるかたちで使っていただければと思います。
5月10日まで、アンケートは行っていこうと思っています。「参加したい!」という方、まだ間に合いますので、ぜひぜひご意見をお寄せいただければと思います。
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最終版は、こちらでお読みいただけます。
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(為田)