2020年10月14日に横浜市立鴨居中学校を訪問し、今月から活動を開始した生徒ICTサポーターの活動を参観させていただきました。鴨居中学校は、新型コロナウイルス対策での休校期間にさまざまな試みを行っていましたが、先月下旬から以下のような申込書を生徒たちに配布して、生徒ICTサポーターを募集した、と齋藤浩司 校長先生はおっしゃっていました。
この募集に応えて、全校生徒500人から17人の生徒がICTサポーターに立候補したそうです。学年の分布は、1年生が10人、2年生が6人、3年生が1人となっているそうです。生徒ICTサポーターの役割は、「クラスでICTを使うときの先生役」「担任のお手伝い」「情報端末の整備」となっています。
生徒ICTサポーターは、齋藤校長先生とICT支援員さん直下の実働部隊となります。この日は、齋藤校長先生が講師となって行う活動を見学させていただきました。生徒ICTサポーターの生徒たちは、事前に担任の先生から招待状を渡されるそうです。
この日の放課後の活動は理科室で行われて、17人中11人が参加しました。部活や評議会など用事が重なってしまった人は、そちらを優先するというふうになっているそうです。
齋藤校長先生とICT担当の先生とICT支援員さんの3人でiPadを配布して、一人ひとりに 自分のGoogleアカウントでログインをしてもらい、GoogleクラスルームでICTサポーターの部屋へ入ってもらいます。GoogleクラスルームにGoogleフォームの課題が用意されているので、自己紹介を入力する、という活動をしました。
iPadでの文字入力を見ていても、生徒たちはいろいろな入力の仕方をしています。iPadを両手でもって、ゲームをするように親指でキーボードを押す生徒もいるし、両手でキーボード入力する生徒もいます。
生徒たちのICTスキルにバラつきはありますが、月に何回かこうした授業外でのスキルアップを目指す活動を経て、鴨居中学校でのICTの活用方法に慣れていってくれることで、一人1台の情報端末が配備されて実際に授業で使うときに、先生方やクラスメイトたちの力になってくれると思います。
齋藤校長先生は、「ログインできて、自己紹介をできる、というのはもちろんそこまででOK。さらに、できることをクラスメイトに教えてあげられるようになってほしい」と生徒ICTサポーターの生徒たちに言っていました。
この後、Meetを使う実践も試してみました。お互いの表情を見ながら話ができたり、iPadを持って移動して廊下やグランドや理科室の水槽の様子を見せ合ったり、生徒たちが楽しんでいる様子が印象的でした。こうして新しいツールを、楽しんで使えるような環境を作ることは、重要だなと感じます。
Meetへの接続は、いくつかの端末ではうまくできないハプニングもありました。ただ、授業以外の場で、こうした失敗が出てくることを齋藤校長先生はポジティブに捉えています。この日の活動の最後に齋藤校長先生は、「こうして使ってみないと、できること・できないこともわからない。今日もまた、できないことがわかりました。こういう困難をひとつひとつ乗り越えていくのが、我々のミッションです。端末が違うとうまくいかないこともある。うまくいくことを少しずつ増やしていきましょう。」と生徒たちに伝えていました。
また、生徒たちがGoogleフォームとMeetのテストをしている間に、ICT担当の先生は理科室で動画を撮影していました。生徒たちに、「動画付きの課題をICTサポーターの部屋に作っておきましたので、見てみてください」と伝えていました。こうした教材作りもどんどん実践を積み重ねていくことで、鴨居中学校にあった形ができていくのだと思います。
全生徒がやるのは、1月以降と齋藤校長先生はおっしゃっていました。それまでに、ICTサポーターたちはスキルアップをしていき、きっと先生方とクラスメイトを助けることができるようになるのではないかと思います。
No.2に続きます。
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(為田)