2020年10月7日に新渡戸文化中学校を訪問しました。授業の合間に、ライブラリーで山本崇雄 先生にお話をうかがったときに、新渡戸文化中学校には、委員会もないし、係も掃除当番もないことを知りました。
山本先生は、「必要がないのに、あるのはおかしい」と言います。掃除当番も委員会も「どこの学校でもあるから」と予定調和で作るのではなく、必要であればそのときに、それに合わせた形で、活動を作っているそうです。例えば掃除が苦手な人は、掃除当番をしない代わりに毎日給食当番をする、というのでもOKだそうです。
山本先生は「世の中と同じです。公平とは何かを考える機会になると思います。掃除しない子がいてもOKで、それぞれの役割があればいい。それって、世の中と同じじゃないですか」と言います。
みんなが同じことをすることが大事なのではなく、それぞれに得意不得意もあって、それに合わせた形で、みんなで協力しながら日々の学校を生活を自律的に作っていく、ということができる子を育てたいという学校の方向性が見えてきます。それぞれの教室で見たクロスカリキュラムの授業もまさにそうした感じだったと思います。
学び方も人それぞれで、一人1台持っているiPadを活用して、さまざまな学び方を生徒たちがしているように思いました。例えばラウンジを利用しているときにも、ネットで文章を読んでいたり、音楽や動画を楽しんでいたり、自分のiPadを自由に使っています。
山本先生は、「自分でコントロールできるようになってほしい」と言います。あれはだめ、これはだめ、と学校で決めるのではなく、自分たちで決められるようになってほしい=「自律的な学習者になってほしい」という新渡戸文化中学校の願いは、こうしたiPadの使い方のルールにも表れていると思います。
新渡戸文化中学校に伺った2020年10月現在、新渡戸文化中学校では月曜日から金曜日までは生徒たちは登校していますが、土曜日だけはオンライン授業としているそうです。「オンライン授業をするためのシステムと教員のスキル保持のために、あえて土曜日のオンライン授業を残しています。」と山本先生は言います。
生徒たちが一人1台のiPadを活用してデジタルで学ぶ方法も身につけていくなか、先生方や学校側もデジタルで学んでもらえる環境を用意するための仕組みを作っていることがわかります。
No.3に続きます。
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(為田)