教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

授業で使えるかも:フェルミ推定の課題

 先日、教育・学びの未来を創造する プラットフォーム in 戸田にゲストスピーカーとして参加したときに、「非認知能力×ICT活用」のテーマのなかで、フェルミ推定にみんなで取り組む授業の事例をお話ししました。僕は、フェルミ推定で、「正解はないけど、自分なりに考えてみよう!」という活動をするのが好きで、ときどき教室でこうした活動をしています。

 こないだ紹介したのは、「小学校の図書館で、1年間に何冊、貸し出しはあるでしょう?」という問題でした。子どもたちがいろいろな方法で数を数えているのを見るのが好きです。
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 その他によくやるのは、「1年間で消しゴムは何個売れるでしょう?」という問題ですかね。調べてみたら、2017年に秋田でやっていました。このときは、ワークシートにがんばって書いて、最後にロイロノート・スクールで提出してもらいました。
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 プラットフォーム in 戸田で、チャットでフェルミ推定の課題について質問をいただいたのですが、回答を時間内にできなかったので、それに関連する本をここで紹介したいと思います。

「図書館の本の冊数の予想」のように、非認知能力を刺激するような取組例がありましたらいくつか教えてください。

『10歳からのおもしろ!フェルミ推定:論理的思考力が育つ』

 まずは、先日発売されたばかりの『10歳からのおもしろ!フェルミ推定:論理的思考力が育つ』という本です。

 フェルミ推定が、これからの時代に必要とされる大事な力を育ててくれる、ということが、本の最初に書かれていました。

正解のない問題に対して、自分で考えて、自分の答えを出すこと。そして、わからないからといって、あきらめずに挑戦すること。(p.3)

 本のなかでは、「1日に日本のみんながするうんこの数、合わせて何個?」が1問め。「地球上に1円玉をぐるっとならべるとしたら、何円必要?」「プールにタピオカミルクティーMサイズは何杯入る?」など、おもしろい問題が10問、収録されていて、どう考えればいいかも書いてあります。

『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』

 もう1冊、『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』もご紹介します。こちらは、東大生たちが就職活動の面接対策でやっていた思考トレーニングをベースにした本で、「どうやって考えるか」がわかる本でした。
 テーマは少し難しいですが、「どうやって考えるか」のパターンが書かれているのはいいと思いました。

まとめ

 どちらの本もおもしろいです。フェルミ推定は、子どもたちと一緒に大人も考えることができます。僕は子どもたちに課題を出した後、自分も正解を知らない状態で式を立てては、「これ、いけそうじゃない?」と子どもたちに見せながらやっています。
 プロジェクト学習でいろいろな仮説を立てるときにも使えるスキルだと思うので、身近で仮説を立てて楽しいテーマで、繰り返してやっていくのがいいのではないかと思っています。

(為田)