文部科学省のサイトで、令和5年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果が公表されました。
令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)【速報値】のデータを見てみると、「児童生徒1人あたりの学習者用コンピュータ台数」については、1人あたり1.1台となっていて、もうすでに直近3年は1.0を超えていることがわかります。実際に現場へ行くと、破損していたり故障していたりする端末があって、「代替機が来なくて…」というような困りごとはあったりもしますが、まあ概ね全体としては台数は揃っているかな、と感じます。
そのほかに気になる数値としては、「普通教室の大型提示装置整備率」「指導者用・学習者用デジタル教科書整備率」「学校種別 学校における主なICT環境の整備状況等」などのデータを見ていきました。
普通教室の大型提示装置整備率も前年度から少し増えているという感じです。大型提示装置は「プロジェクタ、デジタルテレビ、電子黒板のことをいう」と書かれているので、実際は教室サイズやクラスの人数によっては「もうちょっと大きく映したいなあ」と思っている先生方もいるかな、と思っています。そこまでは自治体ごとにどれくらいのサイズを「大型提示装置」として配備しているのか、サイズとかがわかるとうれしいな、と思いますね。けっこう授業のやり方も変わると思うので。
昨年度の調査結果で大ジャンプを果たした「学習者用デジタル教科書整備率」ですが、今回はほぼ横ばいです。というか、この数字で見るよりはずっと現場での「学習者用デジタル教科書」の存在感は小さいかな、と思います。まだまだ、子どもの学びをサポートしていく効果的な使われ方がされている様子を発信していきたいなと思いました。
先生方のICT活用指導力の状況についてのデータもでています。少し上積みされていることがわかりますが、僕はここで書かれているデータを、日々の先生方の授業と重ね合わせて見ていきたいなと思いますし、先生方を支えながら授業を変えていきたいなと思っています。
まとめ
データ上の数字を見ると、着実に整備は進んできていることを感じます。関係部署の皆様の、学校の先生方の頑張りによるものだと思います。ただ、現場ではここで出ている数字ほどは「使っている」「子どもたちの学びを変えることができている」という感じはあまりしません。
整備されたICTを活用して、授業力向上や児童生徒のICT活用を上手に行っている自治体や学校の様子を見ていくことが大事です。うまく端末を使って、日々の子どもたちの学びをアップデートしている自治体・学校の事例を横展開していくために、仕事をがんばりたいと思っています。まだまだ、これからです。
(為田)