2024年9月19日にノートルダム学院小学校を訪問し、梅下博道 先生が担当する5年生(R20*1)の理科の授業「ふりこのきまり」を参観させていただきました。この日の授業は、全7時間の単元「ふりこのきまり」の3時間目の授業でした。
授業の最初に、梅下先生は「こないだ、ふりかえりで良いこと書いていた子がいました」と言って、子どもがロイロノート・スクールで書いて提出したふりかえりをモニターに映し出してみんなに共有していました。モニターに映されたふりかえりには、うまくいったこと・理由に「時間内にギリギリにできた。チームで団結して協力したから」と書かれていました。逆に、うまくいかなかったこと・理由には「ギリギリだったこと。最初ゆっくりしていたから」と書かれていました。「うまくいったことも、うまくいかなかったことも書いてくれているのがいい」と、梅下先生はみんなに紹介していました。
子どもたちがふりかえりを書く欄の下には、先生からのコメント欄がありました。そこには、「もっと書こう」「理由を書いて」「次の課題は」「具体的に!」「伸びてます!」「よい自己評価!」「その視点Good」「いいね」「いい自己調整!」の9つのコメントの横にチェックボックスがあり、梅下先生はチェックボックスにチェックを入れて返却できるようになっていました。こういう工夫は広く共有されるといいと思います。
ふりかえりについて子どもたちと共有した後で、梅下先生はこの日の授業の展開を黒板を使って説明します。以下の4つのステップで授業は進んでいきます。
- 自分目標入力
ロイロノート・スクールへ提出する - 計画実行
すでに配布されている単元計画に基づいて、自分で実験を進め情報を集める - 学習の記録
実験データ、気付きなどを自分たちで記録する - ふりかえり(リフレクション)
自分の目標を達成できたか、自分のグループはどうだったか
この単元では、3人グループでふりこの実験をして、最終的に「ふりこのきまり」を1枚のカードにまとめるミッションが出ています。「20分でまとめる」「アプリは自分で選択」「文字だけでなく、データや写真など根拠を提示する」の3つの条件をクリアしなければいけません。
さらにこの後、5時間目には「周期1秒のふりこをつくろう」というパフォーマンス課題も用意されていて、7時間目にはKahoot!やMonoxer(モノグサ)を使った単元テストを行うことも単元計画には書かれていて、子どもたちに共有されています。単元全体の進行を子どもたちと共有するのも、自分たちの学習を自分たちで計画し、ふりかえりをしながら進めていってほしいという梅下先生の授業スタイルを実現するための方法です。
単元でのミッションを明確にしたうえで、この日の実験に子どもたちは取り組みます。梅下先生は子どもたちに、「何を目的に学習するか」「そのためにどんな時間配分をするか」「3人のグループでどんなふうに役割を分担するか」などを自分で決めてロイロノート・スクールのカードに書いてもらっていました。
自分で計画を立て、それができたかどうかを最後にふりかえる、ということを授業でのルーティーンにすることで、子どもたちに自分で計画を立てて学ぶ習慣をつけてもらいたいと考えているのだと思います。
3人グループで「記録」「タイマー」「実験セット」の3つの役割を分担して実験を進めていきます。役割分担をしたからと言って、それぞれが自分の担当のことしかしないというわけではなく、お互いに助け合いながら、実験を進めていきます。
実験結果をまとめるとき、iPadで電卓を使って計算している子も多かったです。実験の結果から、どんなことが考えられるのかを自分で考えたり、グループで話し合ったりする時間を生み出すために、電卓を使って計算の時間を最短にしているのはいいことだと思います。
計算結果を書き込んだ表をカメラで撮影して、ロイロノート・スクールの中に貼り付けて学習の記録として使っていました。
授業時間が残り10分になったところで、ふりかえりをロイロノート・スクールで書いてもらいます。実験の結果を記録して、グループでうまくいったこと・うまくいかなかったことなどを書いてもらいます。
書き終わったふりかえりは、提出箱に提出してもらいます。最後にふりかえりを共有して、みんなで読み合っていました。
ふりかえりを書いてもらうときに梅下先生は、「じっくり自分と向き合ってほしい。この時間の自分の行動を思い出して、集中して書いてほしい」と子どもたちに伝えていました。こうした言葉かけをすることで、自分の学習をふりかえる習慣ができてくるのだと思います。
No.3に続きます。
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(為田)
*1:ノートルダム学院小学校では、クラスは教室の名前で表すそうです。「R20」は「Room20(ルームにじゅう)」と読みます。