新型コロナウイルスの感染状況は刻々と変わってきていて、さまざまなニュースを見て、先生方も対応などでお忙しくされているかと思います。
学校は、子どもたちのために、最悪の状況も考えて準備をしておくことが大切だと思っています。学校で感染者が出た場合、休校措置になった場合などを考えて、どんな準備をしておくといいでしょうか。学校でできる準備のアイデアを共有するためのアンケートをとっています。
2021年8月15日15:00現在までにいただいた回答を以下にまとめています。ありがたいことに6件のアイデアが寄せられています。これに、為田が考えたアイデアも追記して公開します(今回の追記分は、赤く表示しています)。
今後、追加されたアイデアは、8月下旬まで毎週末に更新し、9月に最終版を出します。
新型コロナ対策で学校が準備しておくといいと思うこと、その理由
「新型コロナ対策で学校が準備しておくといいと思うこと」と「その理由」をお答えいただきました。ご記入いただいた職業も参考に入れました。
- 【埼玉県公立小学校の教頭】短期的(8月いっぱい)と中期的(9月いっぱい)の学びの保障の準備。その際の子供と保護者の心身の状態をどう見とるか。
ピンチをチャンスと捉え、学校と、家庭とのシームレスな学びを進めたい。一方で、各家庭の状況が心配だから。- 【私立小学校教員】そもそも、準備しなくてはと思わないといけないと思います。まだまだ、私の学校は…地域はそのような雰囲気ではないです。
地域によっては、楽観視しているところもあります。特に、地方。下っ端の先生がいくら声をあげてもトップの声で進まないのが現実です。- 【私立小学校教員】何にお金をかけるのか、逆にかけてはいけないのかを考えること。
学校も一つの会社なので、お金のかけ方で教育も変わると思います。現場の教員と事務とでギャップがありうまくいっていないので、はじめから考えていてほしいです。- 【教育ICTリサーチ(為田)】休校になる、クラス(学校)に感染者に近い人が出ることを想定して、情報端末を家に持ち帰らせて、ネット接続をテスト。
本当はもっとはやい時期にやってほしかったけど、「うちはできないんです」と言われないようにする、言われても対応できるようにしておくことが大事なので。- 【教育ICTリサーチ(為田)】Googleクラスルームを使っての情報の発信、共有を一人でできるようにする。
家庭でずっと親がついていないとできない、というのは大変なので、児童生徒が「一人でできる」状態を作るのが大事だと思います。- 【教育ICTリサーチ(為田)】保護者むけの説明会(または体験会)を開く。
保護者が、「どんなふうに端末を使って勉強するのかわからない」というのがまず壁としてあると思うので。- 【教育ICTリサーチ(為田)】PTAと協働すればICTに詳しい人もいるだろうから、何かあったときのためのサポートデスクを先生以外の窓口として作る。
全部を先生方が対応するのは時間的にもリソース的にも難しいと思うので。連絡網で使っているメール配信サービスなども活用すればサポート体制を作れるのではないか?- 【公立小学校管理職】①家庭のWi-Fi環境調べ。②オンラインの宿題を出すこと。③子どもたちにミートを使った授業を体験させておくこと。④コロナ差別を扱った全校道徳の授業
休校や個々の停止欠席に対応し、オンラインで学びを保障するため。家庭のWi-Fi普及率を上げるため、保護者の意識向上に向けた情報発信をすることも必要です。- 【私立中高教員】保護者用のアカウント
生徒と教員を結ぶSNSや支援サービスの導入が進みつつあるとは思います。実際に運用する際に生徒だけ、保護者だけに伝えたいという情報もあります。また生徒の端末からしか連絡が見られないと情報が行き届かないこともあり、保護者が自分の端末から情報を得られるようにしておくと便利です。教職員・生徒・保護者にそれぞれアカウントを用意してこそ本領が発揮されます。- 【私立中高教員】zoom以外のオンライン授業手段
たぶんまたオンライン授業が必要になると思います。オンライン授業の一つの方法としてzoomを使ったものがありますが、zoomで出来るようになればOKではありません。zoomで繋いで普段のような授業を50分x6コマは現実的ではありません。ロイロやMetamojiでもいいですし、Googleドライブでも構わないので、「複数」の教材配信ややりとりができる手段を用意して使い慣れておくことが必要だと思います。- 【公立小学校校長】子供が一人でもオンラインで学習ができるようになる準備
保護者は子供だけではオンラインで学習ができないと思っている。一人でもできるように学校でも練習する
いただいたコメント
フリーコメントもご記入いただいたものを抜粋して紹介します。コメントの方にも、学ぶ点はたくさんあります。ありがとうございます。
- 家庭、地域の状況把握とともに、先生がたのメンタルも心配。できるだけ、ポジティブに捉えられるように、配慮していきたい。
- 共有されたものを参考に準備していきたいと思います。
- One to oneの端末は生徒が使うものであって、ご家庭にOne to oneではありません。生徒が端末持っているから保護者への連絡や情報提供もそれでいいやというのは得策ではないと思います。もちろんご家庭で使える端末がそれしかないのであれば仕方ないですが、多くの保護者がスマホを持っていたり、仕事でパソコンも使っていたりという環境にあります。それぞれにアカウントを提供するという前提で考えてほしいと思います。
- 大手の支援システムがアクセス不良でにっちもさっちも行かなくなったことを忘れてはいけません。「複数」用意して備えておくことが大事です。「これ」がないとどうにもならないというのは危険です。
- 学校休業を想定しながらいろいろな方法を模索していきたいです