教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

戸田市立芦原小学校 授業レポート まとめ(2024年2月21日)

 2024年2月21日に戸田市立芦原小学校を訪問し、6年生の理科、5年生の算数、4年生の音楽の授業を参観させていただき、授業レポートを書きました。プレゼンテーションのためのスライド作成、自由進度学習、楽器演奏のための練習など、さまざまな目的で先生方も子どもたちもICTを活用していました。

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 また、廊下に5年生の学年共有のホワイトボードが置いてあって、そこに書かれている内容をGoogle Classroomで子どもたちが自分たちで共有しているというのを知り、日常でデジタルを使うということができているのだな、と感じました。
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(為田)

淑徳小学校 淑徳アルファ カズトロジー 授業レポート No.1(2023年8月1日)

 弊社フューチャーインスティテュートは、淑徳小学校放課後クラブ 淑徳アルファで、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を行っています。2023年度に授業で取り組んだことを紹介していきたいと思います。

 2023年8月1日に、2年生のクラスで「コンピュータを使ってクイズ大会とかもできますよ」ということを伝えたくて、Quizizzをやってみました。夏休みは学期中よりも参加者が少ないので、「いつもとちょっと違うことを体験できる」ようにと思って内容を決めています。
 Quizizzで「カズトロジーなぞなぞ大会」のセットを作り、4択問題を用意しました。どれくらい盛り上がってくれるかわからなかったので、問題は5問と少なめにしておきました。また、クイズだと知識量の違いでおもしろくなくなってしまう子もいるかもしれないので、なぞなぞを多めにしてみました。

 みんなにQuizizzにアクセスしてもらってスタートします。操作方法は「問題が出るので、4つある答えのなかから、自分が正解だと思うボタンをクリックしてね」とだけしか説明しませんでしたが、操作にはまったく問題がありませんでした。

quizizz.com

 5問回答した後で、成績発表があります。成績が発表されると、教室は大騒ぎです。その後で、子どもたちが「もっとやりたい!」と言うので、「それじゃあ、もっとたくさん問題をみんなで作ってよ」とお願いをしました。
 スクールタクトで「クイズ・なぞなぞをつくろう」と書いたワークシートを配布して、問題と4択の選択肢を書いてもらいます。僕にはどれが正解かわからない問題もたくさんあったので、正解に印をつけてもらいました。
 自分で覚えているなぞなぞを書く子もいれば、自分の好きな分野のことを問うクイズを書く子もいます。淑徳小学校のコンピュータ室は図書室の中にあるので、図書室から本を借りてきて参考にしながら書いている子もいます。

 こうしてみんなに作ってもらった問題のなかから、僕の方で選んでQuizizzに入力して、翌週またみんなでQuizizzでクイズ大会をしました。自分の作った問題が出題されて、「これ、知ってる!自分で作ったから!」と笑っている子もいました。

 こうしてQuizizzの問題をみんなで作って、それに答える遊びなどをするなかで、「これ、勉強のときにも使えるんじゃないか」と思うような子も出てきたらいいな、と思いました。

 No.2に続きます。

(為田)

戸田市立新曽小学校 授業レポート まとめ(2024年1月29日)

 2024年1月29日に戸田市立新曽小学校を訪問し、6年生と3年生の社会の授業を参観させていただき、授業をレポートしました。

 No.1では、6年1組の社会「長く続いた戦争と人々のくらし」の授業を参観させていただきました。前回1月22日に参観させていただいた授業から、より自由進度型の授業を目指していました。
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 No.2では、3年2組の社会「戸田市の人々のくらしのうつりかわり」の授業を参観させていただきました。3つのエキスパート班から1人ずつ集まって構成するジグソー班を作って、エキスパート班で3つのテーマを総合して学んでい区授業をしていました。
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(為田)

鎌倉市立岩瀬中学校 授業レポート まとめ(2024年1月26日)

 2024年1月26日に鎌倉市立岩瀬中学校を訪問し、1年生の数学・社会・理科の3つの授業を参観させていただきました。一人1台のiPadを活用している授業の様子をレポートしました。それぞれの教科で使い方は違いますが、Goodnotesが使える環境だったこともあり、授業のなかでノートをとったりプリントに書き込んだりするにもiPadを活用できていました。

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(為田)

戸田市立戸田第二小学校 授業レポート No.3(2024年3月4日)

 2024年3月4日に戸田市立戸田第二小学校を訪問し、3年生のプログラミングの授業を参観させていただきました。戸田市教育委員会保有しているアイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使った、「Rootとなかよくなろう」「Rootのまちがいを直そう」「Rootでもようをえがこう」という3回セットの授業でした。戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員も務めている込田祥 先生が、授業を設計し、授業で使うスライドなどを準備して学年全体での授業をサポートしていました。この日、3回セットの授業の1回目、2回目、3回目を順に参観させていただきました。

 3回目の授業として、野崎公美 先生が担当する3年5組の授業を参観させていただきました。この授業では、これまでの2回の授業でRootの基本的なプログラミングに慣れてきた子どもたちが、自分の好きな模様を考えてRootで描いてみる授業でした。

 Rootの真ん中にペンを挿し込んで、ペンツールのブロックを使うことで、Rootの動きをそのまま4マス×4マスのホワイトボードマットにマーカーで線をひくことができます。
 野崎先生は例として、「ス」の文字を書くには、どうやったらいいかをモニターを見ながらみんなで考えてみました。

 一人1枚配布したワークシートで、子どもたちに設計図を描いてもらいます。4マス×4マスのホワイトボードマットに描きたい模様をかいて、その横に必要なプログラムを書いてもらいます。
 ハートなどの形や、文字など、さまざまな設計図を子どもたちは描いていきます。子どもたちが「こういうのをやりたい!」と自分でアイデアを出し、そのアイデアの実現するために考える楽しさが、プログラミングの授業では大事だと思います。

 ワークシートには設計図を2つ描けるようになっていました。1つは自分の設計図、もう1つは2人ペアのパートナーの設計図を描くスペースです。他の人のアイデアを知って、一緒に考えるためのきっかけとしてこういう設計もおもしろいと思いました。
 設計図を描いたあとで、ペアで1人15分ずつRootのプログラムをして、どんどんホワイトボードマットに模様を描いていきました。思った通りの模様を描くのはなかなか大変ですが、野崎先生は「どんどん試してみようね」と言っていました。こういう先生からの言葉かけが、とても大切だと思います。

 最後に、何人かの子が描いた模様をみんなに野崎先生が見せました。こうしてみんなで見ることで、「すごい、これってどうやったの?」と質問があがります。
 プログラミングの授業は、「どうやってやったの?」を子どもたち同士で問い合うことで、どんどんやりたいこともできることもレベルアップしていくように思います。こうした雰囲気を作ることこそ、先生にしかできないことだと感じました。

 今回、戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員も務めている込田祥 先生が3年生全体の授業をサポートしていましたが、こういうサポートの形態をとって、担任の先生がやるからこその授業のおもしろさがあると思います。こうして戸田市全体のプログラミング教育のレベルが底上げされていけばいいと感じました。

(為田)

戸田市立戸田第二小学校 授業レポート No.2(2024年3月4日)

 2024年3月4日に戸田市立戸田第二小学校を訪問し、3年生のプログラミングの授業を参観させていただきました。戸田市教育委員会保有しているアイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使った、「Rootとなかよくなろう」「Rootのまちがいを直そう」「Rootでもようをえがこう」という3回セットの授業でした。戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員も務めている込田祥 先生が、授業を設計し、授業で使うスライドなどを準備して学年全体での授業をサポートしていました。この日、3回セットの授業の1回目、2回目、3回目を順に参観させていただきました。

 2回目の授業として、牛込宣隆先生が担当する3年1組の授業を参観させていただきました。この授業では、前回の授業でミッションシートを使って簡単なRootの動かし方について自分たちでやってみた子どもたちに、エラーが含まれているRootのプログラムをデバッグをしてもらいます。

 牛込先生は、ワークシート「Rootを正しくプログラムしよう!」を配布します。ワークシートには間違いが含まれていて、正しく動かない7つのプログラムが書かれています。ブロックもすべて書かれているので、見るだけで頭の中でRootを動かして考え始めている子もいました。

 牛込先生は、「まちがい(バグ)があっても、命令通りにRootは動きます。バグを直したら、その検証もしてくださいね」と子どもたちに伝えていました。間違っていても動くからこそ、何度も実際に動かして、おかしなところを直す、ということが自然に思えるマインドセットを養うのに役立つように思います。
 ワークシートのそれぞれの間違ったプログラムには5文字のコードが書かれています。「iRobot Coding」のサイトでこのコードを入力することで、ワークシートに書かれているプログラムをダウンロードすることができるので、そのプログラムを使ってデバッグを進めていきます。

 子どもたちはデバッグをして、思い通りにいかないときには、また考えてやり直す、というのを繰り返していました。

 「間違っているものを、正しく動くようにする」という方法は、ゼロからプログラミングを作るよりもずっと簡単ですし、「直したい」というのがプログラムをじっくり読み込む強いモチベーションになると思います。結果的に、子どもたちによりたくさんのプログラミングに触れてもらうことができそうだと感じました。

 No.3に続きます。
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(為田)

戸田市立戸田第二小学校 授業レポート No.1(2024年3月4日)

 2024年3月4日に戸田市立戸田第二小学校を訪問し、3年生のプログラミングの授業を参観させていただきました。戸田市教育委員会保有しているアイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使った、「Rootとなかよくなろう」「Rootのまちがいを直そう」「Rootでもようをえがこう」という3回セットの授業でした。戸田市プログラミング・ICT教育研究推進委員も務めている込田祥 先生が、授業を設計し、授業で使うスライドなどを準備して学年全体での授業をサポートしていました。この日、3回セットの授業の1回目、2回目、3回目を順に参観させていただきました。

 1回目の授業として、髙木寛子 先生が担当する3年3組の授業を参観させていただきました。最初に子どもたちに、ロボット掃除機ルンバを作っている会社がRootを作っていると紹介します。ルンバのことを知っている子どもたちが多いので、そこでRootに興味を持ってもらえます。その後で、YouTubeアイロボットの創業者であるコリン・アングルさんのメッセージを見ました。

www.youtube.com

 子どもたちに最初に簡単に、自分のChromebook「iRobot Coding」のサイトを開いて、Rootと接続する方法を紹介します。その後で、2人ペアを作ってRootを配ります。Rootの電源ボタンを長押しすると、音が鳴ってRootの目が光ります。この瞬間に子どもたちからは「かわいい!」という声があがります。かわいい見た目をしたロボットだからこそ、プログラミングにあまり興味がない子を惹きつけられる可能性があるように僕は思っています。

 Rootを接続することができたらワークシート「Rootとなかよくなろう」を配って、書かれている6つのミッションに取り組んでもらいます。
 ミッションシートは、最初の2つのミッションだけは「前に進む」と「回転する」の基本的なブロックを使うだけでできるミッションになっているので、これを最初にやってもらいます。
 そのあとは、センサーを使ったり、LEDを光らせたり、音を出したりするブロックを組み合わせて使うので、自分たちでやってみたいと思うミッションに取り組んでもらうようにしていました。

 髙木先生は「なんとなくやるのはだめ。まずは、どうなるか頭で考えてからRootを動かしてみてほしいです」と伝えていました。子どもたちはそれぞれに取り組みたいミッションを決めて、1つずつ試していきます。教室のあちこちから、「できた!」「わかんない!」「あ、待って。わかった!」「4番できた人~?」という声があがっていました。

 髙木先生が「こんなふうにできますよ」とデモンストレーションをすることもありましたが、そのときに子どもたちに「これが正解です」というふうに伝えず、「他にもいろんなやり方がありますよ」と伝えていたのが印象的でした。
 唯一の正解を探そうとするのではなく、成し遂げたいゴールへ行き着くいろいろな方法があると思って、いろいろな方法を試行錯誤していく、そんなプログラミングの授業になるのがいいと思います。

 No.2に続きます。
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(為田)

戸田市立新曽小学校 授業レポート まとめ(2024年1月22日)

 2024年1月22日に戸田市立新曽小学校を訪問し、6年生の社会の授業と4年生の国語の授業を参観させていただきました。どちらの授業も授業の進め方は違うのですが、子どもたちが一人1台のChromebookを使って、一人ひとりが自分のペースで学んでいる様子を見ることができました。

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(為田)

戸田市立芦原小学校 授業レポート No.4(2024年2月21日)

 2024年2月21日に戸田市立芦原小学校を訪問し、授業を参観させていただいたときに、山下理恵子 校長先生に、5年生の学年共有のホワイトボードの存在を教えていただきました。
 このホワイトボードを見ることで、5年生のすべての教科の課題が一覧できるようになっているそうです。芦原小学校では高学年で教科担任制を導入しているので、こうして各教科の課題が一覧できるものがあると、子どもたちに出ている課題が「全体でどれくらいなのか」がわかります。教科担任制をとって、他の教科での課題のボリューム感がわからず、子どもたちに負荷がかかり過ぎてしまわないように、こうした取り組みは効果的だと思いました。

 このホワイトボードは、先生方だけでなく、子どもたちにとっても「いま、どんな課題が出ているっけ?」とチェックするのに便利になっているそうです。毎日、各クラスの当番の子がChromebookを持ってきてこのホワイトボードを撮影して、写真をGoogleクラスルームで共有しているそうです。

 こうした使い方ができるようになると、一人1台のChromebookが子どもたちにとって普段遣いの道具になっているのだということを実感します。大人がスマートフォンで情報を記録したり共有したりするのと同じように、子どもたちも情報を記録したり共有したりしていて、欠席した日にとても助かったり、うっかり誰かが忘れてみんなが困ったり、そうした実体験を小学校という場で積むことが大切だと思います。

(為田)

戸田市立芦原小学校 授業レポート No.3(2024年2月21日)

 2024年2月21日に戸田市立芦原小学校を訪問し、塚越司 先生が担当する4年生の音楽の授業を参観させていただきました。音楽室には、大型モニターが3つ設置されていました。これらは、かつて普通教室に設置されていて、いまは使われなくなったものだそうです。授業の最初に発声練習として、歌詞をモニターに表示しながら、「花は咲く」をみんなで歌いました。

 「花は咲く」を歌い終えると、塚越先生が「パソコンを開いて、Kahoot!をしましょう。楽譜を読むには階名が読めないといけないので、今日は階名クイズをやります。正答率90%を目指してほしいな」と言うと、子どもたちは盛り上がります。
 子どもたちは自分のChromebookを開いて、Kahoot!に取り組みます。画面に表示される音符のイラストを読んで階名を答えていきます。
 最後にKahoot!のクイズレポートから、正答率を表示してみんなと確認します。「クラスの正答率は88%。みんな、できてますね。トップ10は正答率100%ですね」とふりかえります。Kahoot!で問題に取り組む形式にすることで、音符を読む練習を楽しみながら何度もすることができます。結果として、音符を読むことへの抵抗感を減らすことができれば、より音楽を楽しむことができるようになると思います。

 塚越先生が「では、『茶色の小瓶』をリコーダーで」と言うと、子どもたちはリコーダーと楽譜の準備を始めます。
 準備をしている間、これからリコーダーで吹く『茶色の小瓶』がBGMとしてスピーカーから流れていました。みんな準備しながら曲を聴いていて、途中で「Hey!」と合いの手を入れていて、音楽を楽しんでいる感じがしました。
 『茶色の小瓶』を楽しく聴きながら全員の準備ができるのを待って、みんなが揃ってからリコーダーでタンギングサミングの練習をしました。
 音楽のような実技教科では、準備に少し時間がかかり、しかも準備にかかる時間に個人差がある場合に、間延びしてしまって集中力が切れてしまうことがあります。塚越先生は、こうした間延びしてしまって子どもたちが「何もしない時間」をなくしたくて、音楽をかけている、とおっしゃっていました。

 塚越先生は、ロイロノート・スクールで子どもたちが楽器の演奏の練習をするときに使える動画を送っていて、子どもたちはその動画に合わせて練習をすることができます。こういう動画があることで、先生に見本を目の前で見せてもらえなくても、何度も動画を見て練習ができます。動画を見ながら一人で練習することも友達と一緒に練習することもできます。塚越先生は、「友達とやってもわかんない、という人は、ヘルプします」とも言っていました。一人で練習できる環境を作ったうえで、先生と一緒に練習をするという子をサポートすることもできるようになっています。
 また、動画の再生速度を調節することができるので、普通のスピードで練習するだけでなく、少し苦手なところは再生速度をゆっくりにして練習することもできます。自分に合わせた練習ができるようになります。

 最後に、『茶色の小瓶』の合奏のために、音楽室にある木琴、鉄琴、グロッケン、ミニキーボードなど担当する楽器に分かれて練習をします。

 授業時間が残り10分になったところで、「みんなで合わせてみよう」と塚越先生は言います。主旋律の楽器だけ、副旋律の楽器だけ…というふうにパートごとに順に演奏してみてから、最後にクラス全体で合奏をしました。こうしてみんなで音を出して合奏する楽しさは、みんなが同じ場所にいて音を合わせるからこその楽しさがあったと思います。
 クラブ活動や部活動などでみんなが一人で練習できて、演奏のスキルも自分で上げられる環境であれば、個人練習→合奏で合わせていく、という流れは普通だと思いますが、授業で楽器の演奏が苦手な子にとっては、個別練習のサポートをChromebookで動画を見ながら自分のペースでできるというのは、大きな意味があるのではないかと思いました。

 No.4に続きます。
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(為田)