読解力をつける教材のヒントを探したいと思って、吉田新一郎『増補版「読む力」はこうしてつける』を読みました。帯には、「「優れた読み手が使っている方法」を紹介・解説」と書かれています。ハッシュタグ「 #読む力はこうしてつける 」でメモをしていきました。
パート1「読む力がつく教え方・学び方」とパート2「優れた読み手が使っている方法」に分かれています。
リーディング・ワークショップも参考に!
パート1では、ナンシー・アトウェル先生のリーディング・ワークショップとライティング・ワークショップについても紹介されています。これに関しては、『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』のメモをまとめてあるので、そちらをご参照ください。
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「考え聞かせ(think aloud)」×教育ICT
また、ここで紹介されていた、「考え聞かせ(think aloud)」が非常におもしろいと思いました。書かれていることを読んで聞かせるのではなく、自分が考えていることを聞かせることです。
「優れた読み手が使っている方法」を教える際に最も効果的なのは「考え聞かせ」。「読んでいるときに考えていることを言葉にして表すことを「考え聞かせ(think aloud)」と言います」→読んでいるものを理解する方法のベースになるのは、「考え聞かせ」(p.87) #読む力はこうしてつける
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年2月26日
考え聞かせの例:「教師が実際に頭の中で考えていることを言って聞かせることで、読み手が何をしているのかが分かるようにします。それを聞いている、もしくは見ている生徒達はあたかも自分がしているつもりになれる」(p.88)→それを繰り返すことで生徒ができるようになる #読む力はこうしてつける
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年2月26日
言葉で発話するのと共に、ロイロノート・スクールやschoolTakt、edmodoやednityなどのツールやサイトを使うことで、クラス内での考え聞かせをし合う事ができるのではないかと思いました。
優れた読み手が使っている方法×教育ICT
パート2「優れた読み手が使っている方法」では、第6章「関連づける」、第7章「質問する」、第8章「イメージを描く」、第9章「推測する」、第10章「何が大切かを見極める」、第11章「解釈する」、第12章「他の効果的な方法」と続いていきます。
たくさんのアイデアが並んでいるのですが、そのなかで教育ICTと相性が良さそうなものをいくつか紹介しておこうと思います。
- 関連づける
- 自分と関連づけたことを「考え聞かせ」する
- 簡単なプレゼンテーションをお互いにし合うといいと思いました。タブレットだったら、教室内を歩き回って、たくさんの人にプレゼンができます。
- オンラインに自分の考えを書き込んで、そこに「いいね!」やコメントがつくようにするのもおもしろそうです。
- 本と本を関連づける
- ベン図で2冊の本を関連づける例が紹介されているので、思考ツールと組み合わせられそう。
- 自分と関連づけたことを「考え聞かせ」する
- 質問する
- 子ども達が質問づくりの練習
- 教師が読み聞かせをして、子ども達に質問を作ってもらう。これもデジタルで作って問題を出し合ったりできそう。
- 作った質問をポートフォリオにまとめるのも、デジタルだと無尽蔵に蓄積できて、かつ検索しやすい。
- 子ども達が質問づくりの練習
- イメージを描く
- お気に入りの本の販売促進用のチラシをつくる
- DTPの入口にいいかもしれないと思いました。
- クラス内で投票をしたり、コメントをつけ合うこともできます。
- お気に入りの本の販売促進用のチラシをつくる
これまでにこのブログでレポートしたもののなかにも親和性のあるものがありそう。
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まとめ
先日の『ICTで変える国語授業』の本でも思いましたが、「読む」というところとICTは相性が良くて、もっといろいろなことができるのではないかと思っています。
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(為田)